この本は「小中高の学生の学力が低下していない」と、単純に主張しているワケではない。かといって、向上しているとも言っていないが。今のデータからはどちらとも断言できない、という見解は、数学者としては当然だろう。統計を学んだ者なら、この程度のぶれは誤差の範囲内だと知っている。他の国の成績を検討してみれば、結構ぶれていることがよくわかる。教育制度が変わらなくても成績はぶれる。
受験産業としては、とにかく「学力低下がこんなにひどいんだ」と、あおらなければ商売にならない。学力低下をあおっている人がどういう人か見てみればわかる。子どもを持つ親としては、冷静に考えなくちゃいかんだろうと思うのだが、学生の親を見ていると、意外と気付いてない人が多いようだ。こういう本を書くと、一部の塾関係者あたりから強力なバッシングを受けるでしょうね。