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孤高の人 (ちくま文庫)
 
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孤高の人 (ちくま文庫) [文庫]

瀬戸内 寂聴
5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「湯浅さんは機嫌のいい時、ふっと何気なく百合子の話を口にした。(略)別れて半世紀もたった今でも、まだ百合子への愛は消えていないことを示していた」。宮本百合子との同棲でも知られるロシア文学者の湯浅芳子。毒舌と細やかな心遣い、資産家で吝嗇、一流好みで俗物嫌悪、そんな独特な個性を持つ文学者の心奥を田村俊子、矢田津世子、平林たい子、円地文子、堀多惠子らとの交流を交えて縦横無尽に描き出す。

内容(「MARC」データベースより)

無類の毒舌と優しさ、資産家で吝嗇、一流好みで食魔、俗物嫌い、そして宮本百合子との同棲でも知られるロシア文学者湯浅芳子。その稀な個性を交友30数年の著者が、深い人間観察と絶妙の表現で縦横無尽に描き出す。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 278ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/02)
  • ISBN-10: 4480423109
  • ISBN-13: 978-4480423108
  • 発売日: 2007/02
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 92,473位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
今までなんとなく思い込んでいたイメージ。
それがいきなりくつがえされるのが私の読書の楽しみ。
その意味でとっても面白くてためになる
久々のヒット作品でした。

宮本百合子が離婚後ロシア文学者で翻訳家の湯浅芳子と
同居し、ソ連やヨーロッパに行った事は知っていた。
なんとなく、向上心にあふれた若くて知的なふたりの
明るくさわやかな暮らしをイメージしていた。
確かにそういう面はあったけど
後半はまるで腐れ縁の倦怠期夫婦のようなドロドロ。
百合子さん殴られたりしてるんだもん。
ビックリした。

そして
なんとなくものすごく立派な人、誠実なひと、と思ってた宮本百合子が
芳子のことを一方的に悪く書いて
周りの人にあきれられたりして・・・
ビックリした。

さらに
チェホフの翻訳なんかから優しくて優等生っぽい女性と
勝手に思い込んでた湯浅芳子の
ドギモを抜く勝手さ、ケチさ、口の悪さ、辛辣さ、イケズさ、暴力性。
いやぁ〜ビックリしました!

ってビックリばっかりしてたけど
なんと言ってもトドメは著者、瀬戸内寂聴。
若いときは子供を捨てて男と駆け落ちしたりして
出家なんかしちゃって おばちゃんたちに説教してる
ヤナ感じの人、とこれまたイメージで敬遠して
読んだこともなかったけど・・・
この筆力、描写力!
こんな毒のある芳子のムチャクチャぶりを書いて
それでも彼女の持つ 純粋さ、いさぎよさや優しさ、
その本質のうつくしいものを
すくい上げる、その技と感受性に感服しました。
そして人と付き合うときのデリケートで誠実な態度にも。

私の考えは「なんとなく」ばっかりや!
こんな風に自分の思い込みの狭さ、イメージだけで知ってるつもりの
つまらなさに気付かせてくれる。
本っていいなぁ。
だから私にとっては非常にタメになる本でした。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
湯浅芳子の伝記的覚書である。その限りではいいが、副題をつけてほしかったとも思う。山原鶴、河野多恵子、矢田津世子、田村俊子といった人たちが登場する。しかし、宮本百合子に対して瀬戸内が冷たい。なるほど湯浅との関係については、フェアに書いているが、『伸子』について、どうも納得がいかないのである。もし瀬戸内の言うように、荒木茂との結婚生活に不満が生じたのが、結婚生活につきものだとしたら、それはなぜ宮本顕治の場合にはない(ように見えた)のか。もちろん、そっちへ行ったら湯浅を離れてしまう。しかしそれなら、宮本百合子についても別途書くべきではなかったか。かつて伊藤野枝や菅野スガや金子文子について小説を書いた瀬戸内が、次第に左翼離れをしていったことは世間周知のことで、ここにもそれが感じられるのだが、どうであろうか。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By noheji
形式:文庫
 瀬戸内さんは、「その人」を描き出している。伊藤野枝や田村俊子を刻みえた技は、たしかに「その人」についても十分に認められる。ただ、「その人」は前二者と違って瀬戸内さんが直に交流した分だけ、愛憎をともなった濃く太い輪郭線で刻みつけられている。それがこの読み物の特徴だ。読者を「その人」の記録でもない評伝でもない、なんというか、「その人」を素材にした‘講談’でも聞いているような心地へ誘っていく。
 「その人」の思想や文学的位置(いわゆる「正統な評伝」)は瀬戸内さんより若いライターがずっと以前にモノにした。瀬戸内さんはその「評伝」を参照しつつも、しかしながら、晩年の孤独のなか、かしずかれ、なつかれ、せがまれて「その人」が語った内容があまりにも澄まされている(整えられている)ように思われたのであろうか、「その人」の、よりむきだしのとり散らかった像に光をあて、この‘講談’をモノにした。それはまた「その人」と交流をもった語り手瀬戸内さんのとり散らかった 内面の描写でもある。
 本書の「講談」を聞き終えると、私は本書解説の太田さん同様に、「その人」の思想の深みへ、ロシア文学(特にチェーホフ)へ傾倒するきっかけや、戦前・戦中を「その人」がどう考え生きてきたのか、つまりは、「評伝」の部分を知りたくなってくる。「その人」を知るために、本書だけで完結してはならないと思った次第。
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