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孤高の人〈上〉 (新潮文庫)
 
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孤高の人〈上〉 (新潮文庫) [文庫]

新田 次郎
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。

登録情報

  • 文庫: 503ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1973/02)
  • ISBN-10: 4101122032
  • ISBN-13: 978-4101122038
  • 発売日: 1973/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 家にいながらにして極寒の北アルプスで凍えることのできるほどのリアリティ, 2009/6/5
レビュー対象商品: 孤高の人〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
山岳小説というのはどうやら狭いジャンルのようで、ちゃんとした作品を数多く世に出している日本の作家ということになると、10人どころか5人いるかどうかも怪しいです・・・。

逆に言うとそれだけ新田次郎が有名であるとも言えるのですが、短編長編あわせた様々な作品の中でこの『孤高の人』が最も面白いです。主人公は昭和初期に日本アルプスをたった一人で、しかも超人的なスピードで征服しまくった実在の人物である加藤文太郎です。非常に口下手で人との関わりが下手な人物なのですが、作者の巧みな筆運びによって、読み手は知らず知らずのうちに文太郎を応援してしまいます。

特に冬山での単独行はちょっとしたミスが命取りになる過酷な作業のはずなのですが、驚異的な体力と周到な準備を怠らない文太郎を見ていると、なんだか簡単そうに見えてしまいます。実際に当時としては相当抜きん出た存在だったのでしょう。

僕は一度もアルプスに行ったことはありませんが、この本を読むことで、自分が槍ヶ岳の山頂に一人で立ち、凍てつくような透明で鮮烈な空気を吸い、深い深い雪を踏みしめて稜線を延々とラッセルして行くような・・・そんな気分を味わうことができます。
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55 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 何度も繰り返して読んでいる本です。, 2001/5/13
レビュー対象商品: 孤高の人〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
学生時代に初めて読んでから、いままで一番繰り返し読んだ本だろうと思う。実際の人物を描いた山岳小説であるが、山にまったく興味がなかったのに無性に山に登りたくなった。そして主人公の魅力に取り付かれてしまった。 何度読んでも味わい深い内容である。山について語りながらも、仕事について、恋愛について、そして人生について語っている。

先日再び高取山に登ってみた。小説の中で主人公の加藤文太郎がこの山に何度も登るシーンがあるが、いまも当時とかわらない神戸の美しい街が広がっていた。

この本との出会いは、自分にとっては限りなくかけがいのない「出会い」とでもいうべきものだったと思う。

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36 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 孤高の人生, 2007/10/3
レビュー対象商品: 孤高の人〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
実在の登山家・加藤文太郎の人生を、山岳小説の雄・新田次郎が描く。
新田氏は富士山観測所勤務の折に故人と一度会っているという。
本文中に観測所での職員とのやり取りが登場するが、実際もこんな様子だったのだろうか。

魔が差したとしか思えないたった一度のパーティによって、単独行の加藤は還らぬ人となる。
結末がわかっていながら夢中で読み進め、次第に危険な方向へと向かい始める加藤の行動を
この時この人と出会っていなければ或いは・・・・・・と詮無いことを考えてみる。

若い頃の加藤は他人とパーティを組むなど考えられなかった。
それは、不器用さから他人に対し心を閉ざし、常に一人で行動してきたからだ。
しかし、妻・花子との生活により人の温もりを知った加藤は、もう以前の加藤ではなくなっていた。

物語のなかで、人は何故山に登るのかとの問いが何度か繰り返される。
私自身、何かを振り切るように山の中に身を置いた時期があった。
しかし、今あの時のような山行をしようとは思わない。
あれは、当時の自分にとって必要な時間であったと今になって思う。

趣味として登る山と人生そのものを賭ける山はまったく別のものだろう。
加藤氏の山はどのようなものだったのだろうか。
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