この作品は、鳴沢シリーズ第4作目にあたる。
4作目にして、初めて警察小説といえる作品に仕上がっている。
鳴沢と相棒以外の警察の人間の描き方にやや弱さが見えるが、
ここまでの4作のうち、一番面白い。
鳴沢の人間的成長・魅力あふれる相棒の登場・小野寺との再会などがきっちり描かれ、
申し分ない出来である。
ところが、
「このミス」で、本作品が発表された2005・2006年度を確認したが、
ベスト10はおろか、20にも入っていない。
発行年月日が2005年10月であることから、ランキングとしては2006年度
のものに載るはずであるが、ランクインしていない。
私が読んだ同年度のランクインした作品
(3位震度0、4位愚か者死すべし、6位シリウスの道、10位うたう警官)
よりもはるかに面白いにもかかわらず。
プロットが似ている「うたう警官(現笑う警官)」と較べても、こちらのほうがはるかに上。
まさに読んで損はない作品である。
2008年5月の時点では、このシリーズは、
「当店のオススメ」という派手な帯がかけられて、書店に並べられている。
帯と、本の出来があまりにも乖離している場合も多いが、
このシリーズに限っては、帯を信用してよい。
第一作から順に読むことをお薦めする。
ほぼ一月前に、「雪虫」を読み、
レビューではずいぶん辛口のものを書いたが、
今では、いわゆる「名前買い」できる貴重な作家の一人である。