椿屋四重奏、1年ぶりのアルバム「孤独のカンパネラを鳴らせ」。
椿屋にしてはハイペースなリリースタームだったので
今作はどうなる?と思っていたら、これは前作の延長線上、であって延長線上ではない。
豊かなアレンジや多彩さを引き継ぎつつ、
よりシックに、より洗練された形にまとめた、今まで以上に大人なアルバムに仕上がっている。
哀愁、と呼んでもいいかもしれない。
縛りがあまりない、という点では前作にも通じるけど、聴いた後の感触は別モノ。
同じ方法論を駆使して、また違うアルバムを作った、みたいな。前作と聴き比べるのも面白いかも。
とにかく派手に椿屋流のロックンロールをかました「CARNIVAL」と違って
今回のアルバムは全体的にメロディが抑え気味で、何度も聴く事によって味を出すような、そんな感じになっているなと。
勿論先行で出した「いばらのみち」、カップリングレベルではなかった「ミス・アンダースタンド」、軽快な「思惑と罠」など
きちんとキャッチーな曲も要所要所に配置してあるのだが
基本的にはどの曲も前述の哀愁、そして渋さが付いていて、感触的にはとってもムード感溢れるものでもある。
それ故に、前作からファンになった人にとっては「ゴージャス感」という点で物足りなさも生じるかもしれない。
けれど、何周も何周も聴いていると、不思議と味が出てくるというか
前作が即効性に富んだアルバムだったとしたら、今作はじわじわと効いてくるアルバム、っていうか。
後半の楽曲たちなんて正にそう。
敢えて派手になる一歩手前で抑えたかのようなメロディやアレンジの妙は今までにない感じで新鮮。
故に、馴染むのに時間が掛かるかもしれない。
けど、やっぱりこれも椿屋だなって思う。同じようなアルバムを作らない椿屋四重奏ならではですね、これも。
たっぷりと哀愁、又はタイトルにもあるような孤独感を楽しめるアルバムになっているのだが
そんな中で唯一希望を堂々と歌う少年性もある「LOOK AROUND」の存在感もまた凄いです。ドラムもすこぶる気持ち良い。