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48 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ショウペンハウアーの幸福論,
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レビュー対象商品: 孤独と人生 (単行本)
人生を冷徹にとらえ、幸福のためには孤独と知性が必要であることを説いています。一般的に認識されている幸福の概念とは大きく異なり、人生に対して悲観的過ぎるのではないかと戸惑いを感じます。しかしその考えの根拠は鋭く、人生経験を多く積んだ読者が頷くような名言が多く書かれています。また、一般的認識とはかけ離れているが故に本書は価値があるのだと思います。ショウペンハウアーの幸福論は限られた人間(高い知性を持ち、思索することを最良の楽しみと感じる)を対象にした哲学であり、社会全体の幸福を論じたものではないことを認識した上で読んだ方が理解し易いと思います。世間一般で幸福と考えられている典型例やマスメディアが報じる幸福の型に対して疑問を感じる方にはお勧めの著書です。
126 人中、105人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人生の偉大な師となりうる、類い稀な良書,
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レビュー対象商品: 孤独と人生 (単行本)
深遠な哲学を語っているようで、その実日常生活にこれほどダイレクトに役立つ書物も少ないだろう。随所に目から鱗が落ちるような着眼と表現に溢れ、これこそまさに「活きた哲学」と呼ぶに相応しい。本書を貫くショーペンハウアーの頑ななまでの信念、それは「幸福とは幻で、苦悩だけが現実」ということだ。しかしこの言葉のみを拾い上げて「地に足の着かない空論」と呼ぶのは読者としての資質のなさを却って露呈することになる。彼はこれを立証するのに、彼一流の実に美しく巧みな喩えと表現とを用いており、さらにそれらの喩えがまったく即物的で、的確に理解できるところが素晴らしい。美しい数式を用いて表現された物理法則にも似て、平易な形而下の言葉を用いながら、見事に形而上の世界を表現し尽くしている。これは換言すれば、言語の如何を問わず、翻訳によって原意が損なわれることがなく、彼の活きた哲学が読めると言うことでもある。これこそが、ショーペンハウアーが古今東西を問わず、「当代随一の文章家」と評される所以であろう。ドイツ語で読むことができれば、さらに素晴らしい文章を堪能できたであろうに・・・。 私は本書を読んだのち、ここで説かれている生き方が「ネガティブすぎる」とそれまで根拠なく盲信していたことに今更ながら気づいた。そしてそれ以後彼の説くままに生き始めたところ、なんという安息が私に訪れたことか!カントの哲学がいくら優れたものであったとしても、これほどまでにダイレクトに私の実生活に食い込むことはなかった。本書はそれほどまでに優れた、「実践の書」なのである。 しかしここで指摘しておかねばならぬことがある。本書は本来、「(幸福に生きるための)生活のアフォリズム集」という原題であった。しかし、訳者のまったくの独断で、これが「孤独と人生」に改題されてしまったのだ。キビキビとアクティブな内容・原題の、まさに180度正反対の題名である。何という暴挙だろうか?!これは、一昔前の「ショーペンハウアーと言えば厭世哲学」という、まるで根拠のないバカな先入観をそのまま肯定してしまった独断だ。許し難い行いである。私はここで、訳者に猛省を促したい。このような独断によって、ショーペンハウアーに正しい陽が当たることが、またもや妨げられたのであり、それに大手を振って荷担したこの無知蒙昧な訳者の暴挙は、決して許されるべきものではないのである。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
翻訳がクソ,
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レビュー対象商品: 孤独と人生 (単行本)
内容に関してはいわずもがな。西洋が誇る大天才が、人の人生について語った珠玉のエッセイ集で、誰にとっても至高の読書となることでしょう。自身が苦難にみちた人生をおくった彼の言葉は、熱にあふれています。しかし、翻訳がひどい。原文を直訳したようなキレの悪い日本語が延々とつづきます。意味がわからず頭をひねってしまうような文もしょっちゅうみられました。 なかでも、ぶちキレて本を投げそうになったのが以下の箇所(p185): 「私がある人を必要とするよりも、その人が私をもっと必要とすることが分かったとたん、その人は私がその人から何かを盗んだように思い、報復してその奪われたものを私から取りもどそうとつとめるであろう。」 益の多い方が盗まれたように思う、という意味不明な日本語です。英訳(ドイツ語読めなくて恐縮ですが)をあたってみたところ、Payne氏の訳は "if a man gets idea that he is much more necessary to me than I am to him, he at once feels as if I had stolen something from him;" また、Saunders氏の訳は "If a man comes to think that I am more dependent upon him than he is upon me, he at once feels as though I had stolen something from him;" となっており、やはり金森氏の訳とは前半部が真逆です。たちが悪いことに、その後につづく "If a man is really of very great value to us, we must conceal this from him as if it were a crime."(Payne) "if we really think very highly of a person, we should conceal it from him like a crime."(Saunders) という箇所、「もし自分にとって有益な人と付き合うときは、有益であることを隠せ」というような文ですが、これを金森氏は 「相手がほんとうにわれわれにとって価値がある場合には、われわれは相手に対する軽蔑の気持を、それがまるで犯罪ででもあるかのようにひた隠しにしなければならない。」 と、無理やり語句をねじこんでまとめています。こんなの意訳ですらない。 こんな人が全集の翻訳なんかやってるのだからたまったもんじゃありません。 ちなみに、同じ白水社からでている「随感録」は、軽快でわかりやすく、すばらしい和訳でしたので、ショーペンハウアーをどれか読んでみようという方は、迷わず「随感録」から読むことをおすすめします。
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