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実際、多くの中国人孤児の例が物語るように、失われた時間を取り戻すのは容易ではなく、生活保護に頼りきり、精神的に落ち込んでいく人が少なくない。
蓮池さんも中央大学に復学し弁護士を目指したが、現実的にはそれで身を立てるのは困難である。「経済的な現実も考えなければいけないと思っていた」と語っていたのは本音であろう。
過去をむやみに否定するのではなく、プラス思考で未来を切り開こうとする姿勢には心を打たれる。
子供たちも事実上の母国語である朝鮮語を生かす道を志していると聞くが、翻訳家としてデビューした父親が良いお手本になるのではと思う。
本書は韓国の人気作家の01年の著書で朝鮮に出兵した秀吉軍と戦った朝鮮海軍提督・李舜臣の人生を描いたもので、韓国で50万部を超えるベストセラーになり、今もテレビで大河ドラマとして放映されて驚異的な視聴率を取っているという。
日本軍と戦った韓国の国民的英雄を、あえて処女翻訳の対象に選んだ蓮池さんの勇気に打たれる。
原作に流れるのはいわゆる「反日」だが、蓮池さんが名文章で日本語に訳したことで、単なる「反日」を超えた韓国人の心や文化を知るきっかけになった。
次回作も決まり、今後は翻訳家として活躍していくと思うが、北朝鮮の文学も扱い、「拉致」や「反日」を超えた文化の橋渡しをしていくことを望みたい。
日本武将の様子を、相手側の視点で読めるのはとても興味深い。
戦闘シーンは具体的な描写が多く、臨場感溢れます。
同時に、一人の人間の心の叫び、その叫びから見る風景は、
具体的でありながら情感溢れ、繊細です。
蓮池薫さんの訳は、想像を遥かに超えて素晴らしいものでした。
次回作にも期待が高まります。
権力が抱える矛盾、その権力の下で生きる一個の人間の存在がいかに微小なものか、
その中で個人としての誇りを保ち続ける事が如何に困難であり、また崇高な事か。
切なさや虚しさに涙する反面、揺るぎない希望(・・を持つ事への希望)を感じさせてくれる本でした。
大軍で攻め入った秀吉勢を押しとどめたのはどんな人物だったのか知りたかったのですが、更に深く深く人間世界の矛盾と絶望、
それを超えたところにある光を見せてもらえたこの本に感謝です。
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