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最も参考になったカスタマーレビュー
15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
現代稀に見る奇書,
By カスタマー
レビュー対象商品: 孤客―哭壁者の自伝 (QJブックス) (単行本)
明らかに本書は、現代稀に見る奇書である。初め読者は、著者の文体の佶屈(きっくつ)ぶりに驚かされることであろう。しかし読み進めるにつれて、それは著者が抱える根深い劣等感の反映であるらしいことに気付かされる。下垂体性機能不全小人症という肉体的なハンディキャップを抱える著者は、「肉体的な条件では人に敵うわけがないので他のことで人の上に立ってやろうと」する傾向があるのを自ら認めている。そうした傾向は、この自伝執筆にあたっても、おのれの知識を必要以上に衒おうとする態度となって表れたように思える。奇矯とも見える漢詩人ばりの晦渋な文体、古今東西の文学書や哲学書からの脈絡なき引用、ドイツ語を独習した著者による独作文(もっとも文法的にはかなり怪しい)の挿入、これ??はすべて著者の肉体的劣等感のなせるわざであると同時に、とうとう高等教育を受ける機会がなかった著者の学歴コンプレックスの裏返しでもあるのだろう。肉体的劣等感に関しては、著者が甥に向かって「おっちゃんのチンポコはねえ、君のとそう違わないのだよ」と独白する場面に切々と吐露されているようである。全体的にかなり重苦しい内容の本ではあるが、個人的に唯一笑ってしまったのは、向かいの家への歳暮を宅配業者から託けられそうになったとき「或る不愉快な理由ありて向の姓は私の不倶戴天の仇と同姓なればこの姓の物を我が門内に金輪際入れたくない。真っ平ご免蒙る」と著者が猛然突っぱねるくだりである。この偏屈ぶりでは世渡りがさぞ大変だったことであろう。 また、貸本漫画家時代ち?ついてもう少し漫画史的なことを語ってもらいたかったような気がするが、生活に窮してエロ漫画まで描いたこともあるという著者はこの時代についてあまり詳しく振り返ることを望まなかったのか、この当時についての回想は比較的淡白である。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イメージが壊される気持ちよさ,
By けんぼう (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 孤客―哭壁者の自伝 (QJブックス) (単行本)
アフターマーケットではすっかりプレミアのついてしまった本書ですが、漫画を通じて著者の人物に興味を持った方はぜひとも読んでいただきたいです。このレビューを読んで、読んだ気にさせたくないので、具体的な感想は避けますが、いろんな先入観を持って読んだ後の静かな感動は、その先入観でもって色目で著者を眺めていた自分の矮小な人間性を浮き彫りにします。 ただ、逆説的に、僕としては、これから読まれる方へ、思いっきりひん曲がったイメージ、先入観で購入し、読んでいただくことを希望します。 どうでもいいこと、いやとても重要なことだと思いますが、彼の顔写真も見ることも出来ます。人の顔は人生を語りますから。
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