登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
43 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読んでわかる「超訳」孟子,
By
レビュー対象商品: 孟子〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
かつては子供たちが寺子屋で習った論語・孟子も、いまでは高校でほんの触りだけ学ぶだけである。藤原正彦氏の『国家の品格』がベストセラーと聞くが、礼節を忘れた今の日本人のありように危機感を持つ人が多くなっている証左であろう。そんな風潮のなか、一度は「日本人の心のふるさと」である孟子にきちんと触れておくべし、と手に取った。さて、本書は一般の漢籍の邦訳と同様、原文、読み下し文、校注、現代語訳の体裁をとっているが、特徴はなんといっても現代語訳のわかりやすさである。 漢籍の口語訳は、ふつう読み下し文をそのまま口語に直したものが多い。しかし、漢文は表現があまりに簡潔なため、それだけでは前後の意味がうまくつながらず読んでいてもよくわからないことがままある。その点、本書は行間に相当量の補足が挿入されていて、きちんと意味が通るように工夫されている。たとえば、 【読み下し文】 ・春秋は天子の事なり 【普通の口語訳】 ・春秋を書く仕事は天子の仕事である。 【小林訳】 ・この春秋という書物は〔孔子が自ら筆を取って天下諸侯以下の人々の善行はこれを褒め、悪事はこれに筆誅を加えたもので、このようなことはもともと〕天子だけがなさるべき仕事である という具合に対比してみるとよくわかる。 エピソードでおもしろかったのは、ご馳走をたらふく食べて帰る旦那さんの話。いろんな偉い人と食べてきたと自慢するのだが、実際は他人の葬式や法事に行って食べ物をねだっていた。それを知った妻が「情けない」と泣く。多くの人が利益や出世や富貴を得る手段は、しかしこの旦那さんと似たりよったりである、と孟子はいう。儒教は利や富貴を求める心を賤しんだ。日本にも成金といってにわかな金持ちをさげすむ言葉があるが、これは儒教の影響であろう。 孟子の口語訳は論語に比べると非常に少なく、文庫ですぐに手に入るものは本書しかない。著者の小林勝人氏には一般向けの著作がほとんどないが、本書は1968年から現在まで48刷を数え、40年近く読みつがれていることからみると、スタンダードといってよいと思う。 ともかく、読んでわかる孟子、である。一読をお勧めしたい。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多くの幕末の志士が鑑とした書,
By ポリ銀 (桃源郷) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 孟子〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
吉田松陰・西郷隆盛・河合継之助…、幕末の明治維新は孟子が起こしたと言っても過言ではあるまいか。論語・大学・中庸とならんで四書の一角を占めるこの書は、修養を志す方や政治家を夢見る方々には必読の書といえるかもしれません。 本当に思いやりのある政治学ですね。この思想をもって政治を行ってほしい。そう思える書物です。一度じっくり、和訳部分だけでもいいので読んでみてほしいです。 政治とはいかに為政者の志が大事であるかが、よくわかります。
30 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
スタンダードではないが味がある,
By
レビュー対象商品: 孟子〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
翻訳というよりは、本書で評価が分かれるとしたら訳注者の小林氏の独特の読み下し(翻訳ではない)でしょう。「無難でない」という指摘は確かにその通りで、朝日文庫の「中国古典選」のほうが無難だとは思います。岩波がどうしてこの書だけ金谷氏に依頼しなかったのは不思議ではありますが。わたくしはこの本を何度か読了していますが、この読み下しは確かに普段慣れているものとは違います。しかし確かに納得させられる部分も多々あり、他の評者のかたのように切って捨てるには惜しいと思います。読み下し方というのは高校の漢文の授業では一通りしかないように教わりますが、実は江戸時代の学者の読み下しなどを見ると、ひとりひとりかなり個性があります。なのでこれもそのようなものとして読むと、必ずしも的を外していないことがわかると思います。 もちろん、これをスタンダードとして薦めるつもりは毛頭ありませんが、二冊目として読む分にはわるくないと思います。いかがでしょうか。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
|
|