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春秋時代は後の中国ほどではないにせよ大小数多の国が権謀術数を繰り広げて自国の勢力を伸ばし、覇者たらんとした時代であり、晋は文公という覇者(春秋五覇の中で最も有名)を出した自他共に認める大国であり、趙氏はその宰相も務める有力氏族なので、結構戦争の場面が多く出てきます。そういう意味でこの本は作者の数多くの作品の中でも歴史小説としての要素が強く出ています(大体歴史は平凡な日常ではち?くハレの戦争が優先的に記されますから)。
当然、趙氏は有力ではあるとはいえ、上に国君(王ではなく公)があり同様の有力な卿たちがいますので、国内外での権力闘争や陰謀などには巻き込まれるわけで、主人公たちは自分と一族を守るために非常に苦労を重ね、知恵と時に勇を使い、他者と協力し合い(この脇役たちも中々に活躍しています)、切り抜けていきます。
読んでいて、最終的に生き残ると史実で判っていても、おいおいおい滅びないか?負けないか?死なないか?という場面がかなりあって、読み物として非常に面白い作りになっています。作者はどちらかというと漂うようなゆったりとした筆致が多いですが、この本は結構躍動感に溢れていて一気に読めます。初めてこの作者の本を読もう、という方には手?でかつ作者の魅力が詰まっているので良いかもしれません。
ちなみに、自分はこの作品が宮城谷作品の初体験であり一番好きな作品です。
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