2009年1月号で惜しまれつつ休刊となった『ロードショー』。この映画専門誌に、ハリウッド側から直接オファーが来るほどの字幕翻訳の第一人者である著者が、7年半にわたって掲載してきた人気コラム「ブラッシュ・アップ・ユア・イングリッシュ」を完全収録したのがこの本です。
ラブロマンスやミステリー、アクションなどにカテゴライズされたヒット作90本のせりふの解説や字幕翻訳の実情、エピソードを披露しながら英会話ならぬ、生きた「映会話」のレッスンを受けられる内容。もうひとつ、この本は、海外の映画関係者と著者との親密な交遊録としても楽しめます。本編はもちろん巻末の「スターと私のナイショ話」では、来日した際の通訳や接待など著者の幅広い交友から得た、映画やインタビューからはうかがい知れないセレブたちの素顔がふんだんに紹介されていて実に興味深い。ブラピやジョニー、キャメロン、ニコール、ジュード、デンゼル、クリント、メリルといったそうそうたるスターたちが、ちょっぴり身近な存在に思えてきます。
表紙デザインがいつまでも銀幕の向こうに夢を見続ける少女のような著者のイメージをよく表わしていてキュート。しかし、ライトな装丁とは裏腹に中身はずっしりと重みがある。飾らない人柄によって海外のトップ・スターや監督、プロデューサーから厚い信頼を得ている著者だからこその新しい発見に満ちた作品です。