女性翻訳家による、育児と言葉にまつわるエッセー集。
一読して感じるのは、とにかく文がきれいだということです。
例えば、男性に一番受けそうな「靴下問題」の章では、女子高生の頃、男子とセックスするときに、靴下は脱ぐのか、ということが問題になった、と述べています。同年代の男子は、気がはやって、下着を脱がすのに必死で、靴下までは面倒をみてくれない。すると、セックスの間中、靴下のみの姿でいるのか。なんと、みっともない。
・・・という話なのですが、これを、なんとも上品な言葉で書き綴っています。
それでいて、ちゃんと、内容も、おかしみも、伝わってきます。
さすがは、言葉使いの翻訳家です。
ただ、その上品さが災いしてか、いまひとつ物足りないのも確かです。
油ギトギトで下品な焼きそばに慣れてしまった身には、上品なそうめんは物足りない、といったところでしょうか。
自称、上品な教養人には、お勧めかもしれません。