『子連れ狼』は、有名だけれども、私は読んだのは、これが初めて。
これが、日本の漫画か!と、驚嘆した。
血にまみれスリリングな、話の回によってはエッチな場面も入る、もちろん、ただのエンターテインメント(それこそが漫画、と私は思っています。)。
それでいて、全体に、情と悲哀があふれる。
話の流れの間、絵・コマの構図が良い。そんな中で、自然の美しさが見え隠れして、日本的。
絵の線の多さは、苦手な人も多いでしょうが、スクリーントーンを貼るのが苦手な私は、ああ、こうやって、線で処理していいんだ、と安心したりして…。
『残菊の宿』の口絵を見た途端、そこに描かれた女性の、線のふくよかさ、伝わるほんのりした艶に、これが女らしさというものか、と教わった感じ。
『御定書79条』は、スリの「早変わりのお葉」や十手者の「心の字洗蔵」が粋でかっこよかった。
圧巻は『黒鍬縛樽』の戦闘シーン。ほとんどセリフがなく、静かな雪国の場で、熱い死闘を見せる。
そういえば、『カムイ外伝』にも、音のほとんどない、緊迫した戦闘シーンがあった。「雀落とし」という段で、やはり寒村が舞台。こういうの、日本的なるもの、という気がします。