久しぶりのこのシリーズの作品と言うことで手にしたのですが、この本はむしろ一緒に収められている「エッセイで100倍楽しむヨーロッパ」と言うエッセー集にこそ出版の目的があったのではと思います。
こちらのエッセーでは、特に、ヨーロッパの名画への思いや、ヨーロッパの作家による名作の数々についてのものを非常に興味深く読みました。
一方、この前半部分に収められているドイツ、オーストリアの観光案内的なエッセー群が、小説「子子家庭、ヨーロッパに行く」を書かせているのではという気がします。
と言うのが、赤川作品というのは軽いタッチで書かれているのですが、この作品は今まで以上に軽く書かれており、物語を深く抉っていません。
更に言えば、エッセー群に書かれていることが、伏線?になって物語が構成されているようにさえ見えます。
そうした隠されたテーマが、全体の軽さ故に解りにくくなっている気がします。