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子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選)
 
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子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選) [文庫]

木下 順二
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

勝敗を決するものは,人知の限りを尽くした人力と,いま1つは人力を超えたなにものかの力-『平家物語』を題材に緊密に組立てられた代表作「子午線の祀り」は作品そのものも,過去5度にわたる公演も大きな評判を呼んだ.作者の大きなテーマの1つ「沖縄」と「群読」という独自の朗読形式の実験作「龍が見える時」を併収.

登録情報

  • 文庫: 335ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1999/1/18)
  • ISBN-10: 4003110048
  • ISBN-13: 978-4003110041
  • 発売日: 1999/1/18
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 379,826位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 声にする言葉の美しさ、力強さ、素晴らしさ。読むだけではおしい作品。, 2006/11/30
レビュー対象商品: 子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選) (文庫)
 木下順二さんがお亡くなりになられた。追悼の意もこめて、この作品を読み返す。

 作者は「夕鶴」など民話を題材としたもの、「沖縄」など戦争を扱ったものなど、多くの後世に残る戯曲を書かれたが、「子午線の祀り」は言葉、声の力・美しさを強く伝えてくれた作品である。

 平家物語を題材に、壇ノ浦の戦いの知盛を視点の中心に置いて、時の流れの中の人間・運命といった題材を描いた朗読劇。演技で動かすというよりは台詞・朗読で動いていくのが朗読劇であるが、この作品では「平家物語」の文章を使い、時には役者が独りで、時には数人で語る。例えば壇ノ浦で与一が「よっ引き固めてひょうと放つ」と独り語るところがあれば、数人の源氏の兵士が「差し詰め引き詰めさんざんに射ければー」と語るところもある。声、言葉の力・美しさが強く伝わってくる。どこかギリシャ悲劇のコロスの語りにも通じる、格調の高い傑作である。

 初演は1979年。この文庫版は、1999年の新国立劇場の上演にあわせて出版された。あとがきは作者の製作後記、といった形で、製作や上演の経緯が初演から書かれている。著者は戯曲以外にもエッセーなどの著作を多く残しておられるが、このあとがきも味わいが深い。1999年の上演について、「これが上演の第二期の始まりになるかならないか、は終わって見なければ分らない」と最後に書かれているが、ぜひまた舞台にあげてほしいものである。この作品の言葉の力・美しさはやはり「読む」だけではおしい。

 併録されている「龍が見える時」は民話である。朗読用の形で書かれた作品なので、読むとしてもどんな風に声に出したらよいか、を考えながら読みたい。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 祇園精舎の鐘の声, 2011/2/4
レビュー対象商品: 子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選) (文庫)
文学が好きなら誰もが知っている平家物語のあの冒頭に負けないほど
この戯曲の冒頭は美しく哲学的だ。

この戯曲は地球と月の楕円運動についての、地学の専門書のような記述で始まる。
地球上におこる波や潮は、この運動が引き起こす。そして、この運動は
天体間の重力の作用で絶え間なく繰り返されている。
だが、それがたまたま歴史上のある瞬間に重なったら?

この物語は、壇ノ浦の合戦の最中におきた潮流の
変化によって、平家が滅亡の瞬間を迎える様を描く。
たまたま冒頭に描写されている地軸の傾きや楕円運動の離心率が
そのとき重なったまでのこと。平家の兵がどんなに舟を漕いでも
それは抗えない運命というものだ。

高校の頃、英語のGravityは、「重力」と「運命」と両方の
意味があると習ったのを思い出す。
かくして地上の人間が抗えない天上の力が運命を冷徹に
定めるのだと。

現代に生きる僕には、祇園精舎の鐘の声と同じか、それ以上に
万有引力が森羅万象の「理をあらわす」ように思えた。
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