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言葉だけでは凡庸に聞こえる「親の責任」を論ずるのは結論部分で、むしろそこに至るまでの過程に注目する価値があると思う。これまでの教育論の多くが、時代遅れの《学校制度》を前提にしていることにそもそもの問題があるとし、日本全体に蔓延する、近代学校教育制度への根深い《過信》を徹底的に批判する。さらに、その無理のある学校教育を美辞麗句や精神主義で飾り立てようとする、非現実的で無責任なヒューマニズムのナンセンスぶりを指摘しているのである。『金八先生』的な考え方は有害だともいう。
著者は教育学者ではなく、本書は学術的な内容ではない、長年塾を経営していたという現場の実感が伝わる。その言葉は、校内暴力で荒れる中学校に通っていた私の実感と合致するものである。著者の言うとおり、偏差値教育や受験競争そのものが子どもを苦しめているのではない。学校という、「だらしのない収容所」に子どもたちを閉じ込めようとしている《古さ》が問題なのだ。
教育改革も今日議論しなければならないテーマのひとつだ。この本は基本的な考え方を示してくれる。親として自信が持てる、また社会として受け入れられる内容だ。
1997年の本であるが是非いま読まれていいお勧めの本だ。
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