主張そのものは書名からも容易にこのようなものだと推察できたが、異なる意見にも耳を貸す器量をもってしても終始独断とヘン見と感情論に満ち満ちていてどうしようもない。あまりに突っ込み所が多すぎて批判する気も出ない。著者にはただただもっと謙虚になり、もっとこの時代や自分の嫌いな言説の基盤となっている思想などについてよく勉強し、またもう少しよく考えてものを言ってほしいと願うばかりである。加えて本を出す際にはその本が本当に出すに値するか、わざわざ自分が言う必要があるのかを考えて頂きたい。
あらゆる主張が個人的な価値観、美意識の押し付けでありその根拠は大抵が単なる独断と言っても過言ではなく、まともに相手をすべきものには思えない。仮にその点に目を瞑るにしてもあまりに主張がステレオタイプ、ありがちすぎる。これでは著者に賛同する考え方の人ですら、いちいちこの本を読む必要はないと感じる可能性も高い。実際こんな今まで散々どこでも言われているような教育批判が約100頁散らかされてるだけの本などどんな考え方の人にとっても読む必要はないだろう。
こういった事にも仮に目を瞑るにしても、内容以前に体裁があまりにお粗末である。小学生向けかと思うほど無駄にスカスカして軽みのある文章とデザインになっており偶にちゃんと文章がつながってる時もあるが何か全然関係のない小言が脈絡なく続けられる事が多く、これは断片集か何かか?と勘違いする。オマケに一章は頁数的には比較的長かったかと思えば二章はわずか8頁で終わっていて仰天したりする。この文章密度であるから3分もかからない…と言おうと思って今試したのだがなんと二章は30秒以下で読めてしまった(笑)刊行される本多しと言えどもこんな粗雑な作り、バランスの悪い章割りをしている本は見たことがない。他にも5頁、4頁で終わる章などが多くあるが、これは多少よく言えば、それくらいさっさと読めるという事。だからどんな本であれ何かの足しになると考えるなら、一瞬でその足しに出来るというのは利点かもしれない。悪く言えばそれほどに軽い、スッカスカの本という事だ。
既述したが同じような子供中心主義批判、個性教育批判、もっと躾と道徳を、というような論調の本は数多い。その中にはもっとマトモなもの、有意義なもの、力作も多くある。それは主張に賛同するか反対するかとは別の問題である。その中にあって本書は「その手の書籍」の中でも最も下位クラスにある粗雑な本だと考えていい。