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子どもの最貧国・日本 (光文社新書)
 
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子どもの最貧国・日本 (光文社新書) (新書)

山野良一 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ......今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。
日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。 しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困な子どもたちを社会的にネグレクトしている。
本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、解決策を考える。


内容(「BOOK」データベースより)

家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ…今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困の子どもたちを社会的にネグレクトしている。本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、解決策を考える。

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58 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「子どもの貧困」という問題を可視化する試み, 2008/9/26
By 遊鬱 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
「貧困」研究の「貧困」という冗談が言われるほどに、日本では「貧困」に関する研究は少ない。しかし、少なくとも「子どもの貧困」に関してはまず当著を参照、スタート地点にすれば良いといって決して過言ではないだろう一冊がここに登場した。

1.日本の現実、2.貧困研究史、3.貧困のもたらす悪影響、4.悪影響のプロセス推論、5.貧困対策、と順をおって豊富なデータと研究、そして何より著者自身の経験に裏づけされた実例から理解することが可能だ。

個人的には冒頭から日本の現実として可視化されていない「子どもの貧困」を世界の中で相対的に評価することでいかに悲惨なものであるかという現実を知らされる。特に日本政府の社会保障(再分配)政策が明らかに失敗していることを端的に示すデータは衝撃であった。
 
平易な文章で書かれているがこの書の指摘する内容は非常に恐ろしい。教育「問題」と言えばあーだこーだと常にかすまびしく騒がれるがはっきり言って、今まで不可視であったこの「子どもの貧困」問題の前にははっきりいって総ての「問題」が児戯に等しいのではないかとすら思える。可視化さえされれば、これだけ「子どもを守る」ということについて過剰反応を示している現状を鑑みれば、何らかの対策をというコンセンサスがえられるのは難しくないであろう。それだけに、この書が一人でも多くの人に読まれることを望む。
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30 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 主張がわかりやすい, 2008/10/27
この本のいいところは平明なこと。
子どもの貧困は個人の努力の問題ではなく社会の構造からおきている問題であること、
私たちは子どもの貧困問題を自分たちみなの問題としてとらえなければいけないこと、
国全体での根本的な対策が必要であること、が簡潔に読み取れます。

グラフや統計は私には読み取れなかったし(でも解説があるのでポイントは理解できる)
具体的な例も確かに少ないけれど
筆者の主張はわかりやすい、それでいいと思います。

生活保護っていう解決は…という感想を書いている方がいましたが、
筆者は生活保護をただふやせ、と主張しているとは私は読みませんでしたよ。
夫が内緒でサラ金に莫大な借金をしていなくなっちゃったとか、
私のまわりで、生活に行き詰まり生活保護を申請した人の話をきくと、
もらえてももらえなくても、なんだそりゃ?って話が多いのです。
制度として不備が多いから、見直してもっと役に立つ制度にしようって主張ですよこれは。
でもそれが読み取りにくかったんなら、次の機会には改めたほうがいいのかな。

子どものために、みんなのために、貧困解決に向けて何かしないといけないと思わせてくれる本です。



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34 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 敬服します, 2009/2/5
レビュアーは、この分野には全く無縁で、むしろ正反対とされがちな新自由主義に近い立場の人間である。だが、この新書を読んで、考えを新たにする部分、考えさせられる部分が多々あった。レビュアーは、この新書は総合的に見てきわめて上質かつ良心的な書籍であると考えている。

現場関係者や現場に入れ込んだ執筆者であると、往々にして身の回りの事例や関係者の声ばかりが一方的に記述される傾向がある。多くの読者は専門家でも関係者でもないため、実態について多くの知識をもっているわけではない。にもかかわらず、多くの場合、読者はこうした必要不可欠な知識を十分に提供されることはない。そして、疑問を感じながらも、執筆者の繰り出す事例や関係者の声に導かれるままに、執筆者の用意した結論に行き着かざるをえない。執筆者は意図していなかったにせよ、きわめて安易で不誠実な記述態度であるといえよう。

こうした書籍に対し、本書はきわめてバランスがよく誠実な印象を与える。単なる現場からの発信にとどまらず、各章のテーマごとに、全体を俯瞰できるデータ、アメリカのものを中心とした国内外の研究成果と事例が、的確に分かり易く提示されていく。読者は必要となる知識をおさえることで、スムーズに読み進めることができる。その結果、とくに福祉や教育の分野の書籍で往々にして感じがちな、執筆者の「思い込みや信念につきあわされている」という感覚は全く抱かずに、執筆者と問題意識を共有できる。執筆者が豊かな知識と経験を持っているからこそ可能なわけであるが、こうした構成・記述の手腕はまさに秀逸といえる。

本書のこうした優れた特徴は、執筆者の深い問題意識に支えられているはずである。問題意識が深くなければ、豊富な知識と経験があっても、具体的で分かりやすい記述にまで落とし込むことは難しいからだ(問題意識が浅ければ抽象的な記述か「お話」の羅列にとどまるもの)。そして、なんといっても、深い問題意識を支える、熱意が随所で伝わってくるのが好ましい。決して押し付けがましい記述ではない。一見淡々とした記述であるが、子供たちと社会をめぐる貧困の問題を知ってもらいたい、共有したい、状況を変えたいという熱意を、少なくともレビュアーは行間に感じることができた。これこそ本書の最大の特長であろう。

昨今の新書ブームで、さまざまなテーマの新書が刊行されるようになった。それはそれで望ましいことなのだろうが、質が伴わず落胆させられるものも少なくない。このような状況にあって、本書を読んで久々に多くのものを得た気がする。作者はもちろん、出版社の編集者の力量に深く敬意を表したい。
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