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たとえば生殖技術や避妊術の発達で子どもは「授かる」ものから「つくる」ものへと人々の意識が変わっていった結果、子どもを「つくる」「つくらない」と選択するにあたり、この国の政治や経済、社会の状況が大きく影響されている点は本当にそのとおりだと思う。少子化対策といって「子育て支援センター」のようなハコモノ行政を繰り返していたり、男性の育児休暇を推奨しながらも休業補償を法制化しなかったり。不妊症治療に対して健康保険が使えず高額な治療費が求められている現状は本当におかしい。
また、一人っ子を持つ母親よりも、2人以上の子どもを持つ母親のほうが子育てに対する負担感が少なかったり、比較的時間が自由な専業主婦よりも仕事を持ちながら子育てしている女性のほうが時間的な負担を感じにくいといった、これまで常識と思われていた数々の女性心理をデータによって反証するくだりは、まさに行政の子育て支援策担当者に読んで聞かせたいほど説得力がある。
一つだけ残念なことは、現在の子育て環境や少子化の原因などにきちんと迫っている半面、その解決策が具体的に提示されていない点。それを考えるのが私たちの役割だとはいえ、専門家としての提言もあるとよかったと思う。それでも真剣に少子化といわれる現状を読み解くには欠かせない一冊だろう。
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