この手の勉強のノウハウを解説する本は2つのタイプに分かれる.
1つは暗記の重要性を強調し、効率良く点数を上げる勉強法.
もう1つは、考える事を重視し、暗記を否定的なものとするもの.
本書は後者。じっくり考える事やオリジナル的な解法を推奨している.
確かに考えることは大切だが、数学者でない素人(子ども)にオリジナルな解法を要求するのは無理な事ではないだろうか.定理やオリジナルな解法は先人の学者達が多大な時間をかけて考え出したものである.
そもそも”暗記”とは理解を伴わない丸暗記ではなく、“理解した上での暗唱した記憶法”のこと.先人が編み出した優れた解法を覚え(暗記し)、そして勉強していくうちに問題の解決能力が身につくのではないだろうか.特に子どもの場合は、効率良い勉強法で良い点数を取り周りの人間より優位にたったという事が自信につながり、その教科が好きになるのではないだろうか.
子どもが勉強好きになるきっかけとはそんなものだと思う.
本書は、専門的な数学者の立場から見た“好きになる秘訣”という印象.
本書の題名に“子どもが”がなければここまで批判的にはならない.
また、こういった類のノウハウ本は、主観的な意見が多いのは仕方ないが、あまりにも著者の(自分で正しいと信じている)経験的な意見が多すぎる.
もう一点、各章で本論に入る前に必ずと言っていいほど本論と直接結びつかない例え話が登場する.