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シーザーも毛沢東もロンメルも、森鴎外も中谷宇吉郎も、……と、歴史上の人間を、嫉妬、ねたみに悩んできたという。そうかもしれない。……そばにもの凄く有能で、有名になって、というヤツがいたら、同僚にしてみれば、古今東西、どこでもそうだろうなと妙に納得した。
それにしても、東大教授にまでのぼりつめた学者の山内さんが、どうしてこういうドギツイ本を書いたんだろうと不思議に思った。普段から、何を読んでもこういう視点で見ていたんだろうかと。
中谷宇吉郎の項で、東大出身の中谷が(格下の)北大教授になり、東北大出身の茅誠二が(格上の)東大教授になっていることを、山内さんは「出身大学と勤務大学がねじれている」という。この表現には目を見張った。
もしやと思い、他の新書本で紹介された山内さんの略歴を知って、ははあんと思った。著者は北大出身で、今は東大大学院教授。専攻はイスラーム中心のマイナーな学問。文学博士とかの伝統的な学位ではなく、学術博士という比較的新しい学位で、それでいて吉野作造賞、司馬遼太郎賞など、民間の派手な賞を数々受賞している。学会賞のような、公的で地味な賞の受賞の多い東大では目立つ人です。
これでは山内さんも嫉妬の対象になりやすい。東大卒が圧倒的に多い東大で、こういう経歴ならもっと、と思う。だから、まわりの嫉妬の目に敏感なのだろう。
面白い本で、これを読んで以来、私自身ももっと気をつけなくてはと、すごく教えられました。
それと共に、こういう本を書くことで、著者もこの先困った立場にならないかと、すごく心配してしまいました。無事、停年まで勤めあげられることを祈ります。
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