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主人公の大学生リョウは、男娼となり、色々な女性の欲望に向かい合っていくのですが、リョウが映し出すそれぞれの女性の姿はリアルで美しく、共感を覚えました。
リョウ自身も、経験を重ねて上を目指すサクセスを求めているよりは、ただ欲望の果てを見てみたいという、思春期特有の自分探しの旅のようで、痛々しく応援したくなってしまいます。
この疾走感に、どんなラストを持ってこれるのだろうと思っていたら、
個人的には、どうかな?という終わり方でした。でも、どんな終わり方でもピンと来ないかも。季節がいつの間にか移り変わっているように、物語も、青春もいつしか別の時代に入っているものだから。
小説のテーマといい、次々に登場する変態中年女といい、三文エロ小説になってもおかしくないのに、まったくいやらしさや生臭さを感じさせない。それどころか清涼感や静謐な感じさえ漂わせている。さすが石田衣良!初期の頃の村上春樹みたい、と思わせる雰囲気もあったりして読んでいて嬉しかった。
セックスに関心のない大学生がふとしたことから娼夫となり、様々な欲望のかたち、快楽の追求といったことを体験していきます。
それはセックスであったり、それとは違うかたちであったり。
自分の欲求が普通だと思っている人もいるし、異常だと自覚している人もいる。
気負うことなく彼女たち(大抵はかなり年上)を受け入れていく主人公が不思議です。
快楽ではなく娼夫という仕事にはまっていく彼の先に待ちうけるものは何でしょう。
人に安らぎを与えることのできる仕事はそれでも非難されるべきなのか。
文章に透明感がありドライなせいか、セックスの描写は艶はあるのに生々しさとは無縁で、そこが特に好き嫌いがわかれるかもしれません。
ただ、この作品の根底に流れるテーマはそれとは別のところに位置していると思いました。
読んでいてやさしい気持ちになることのできる作品でした。
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