「大人」以来、約2年ぶりにドロップされた事変の3枚目。
だが間に林檎のソロもあったのでそんなに待たされた感はなし。
東京事変を好きな方ならご存知の通り、このアルバムは椎名林檎が作詞と歌に専念し、
作曲をすべてほかのメンバーに任せた異色の事実の上に成り立っている作品だ。
正直賛否両論だと思うが出来上がった作品を聴くとやはり事変だ、と思える。
まずサウンド自体がかなり凝っており、バンドしてのダイナミズムや遊び心を楽しめる
ユニークで新鮮な作品となっている。「黒猫道」や「某都民」を聴けば判るだろう。
バンドメンバーにより生み出された新たな一面。まさにタイトル通りだ。
「OSCA」や「キラーチューン」といった対照的なシングルに加え、
「復讐」のようなホラー仕様?のような作品もあって、前半は「ミラーボール」「金魚の箱」
といったクリアなアップチューンが並び、色彩が豊かというレベルを超えたアルバム。
一曲一曲ごとに世界観が塗り替えられてくような気がして堪らない。
ともすればワンマンバンドになる危険性もあった事変をこういう形で
「このメンバーじゃなきゃ出来ない」ものを見事に作り上げ、証明した印象。
それもこれも椎名林檎のシンガーとしての軸がまったく揺るがないからである。
3枚目だが実質デビュー作といってもいいくらいみずみずしい傑作。