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娘巡礼記 (岩波文庫)
 
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娘巡礼記 (岩波文庫) [文庫]

高群 逸枝 , 堀場 清子
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

大正7年,24歳の高群逸枝(1894―1964)は四国へ旅立った.家を捨て,職を捨て,恋を捨て,ただ再生を目指して.女性の旅行が好奇の目で見られていた時代,旅先から書き送られたその手記は新聞に連載され,大評判を呼ぶ.巡礼中の苦しみと悟り,社会のどん底に生きる遍路の姿,各地の風物をいきいきと伝える紀行文学の傑作.

内容(「BOOK」データベースより)

大正7年、24歳の高群逸枝(1894‐1964)は四国へ旅立つ。家を捨て、職を捨て、恋を捨て、ただ再生を目指して。女性の旅行が好奇の目で見られた時代、旅先から書き送られたその手記は新聞に連載されて大評判を呼ぶ。八十八ケ所巡礼中の苦しみと悟り、社会のどん底に生きる遍路の姿、各地の風物をいきいきと伝える紀行文学の傑作。

登録情報

  • 文庫: 334ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2004/5/18)
  • ISBN-10: 4003810619
  • ISBN-13: 978-4003810613
  • 発売日: 2004/5/18
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 368,486位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sd
形式:文庫
 ある札所のご住職が昔のお遍路には暗いイメージがあると書かれているのを読んだことがありますが、この本を読んでその理由が理解できました。
 僧侶でもないお遍路という人たちがなぜ四国を回るのかといえば、どこにも居場所がないからなのです。貧困や不治の病、犯した罪によって故郷を捨てざるを得なくなった人たちがお遍路になった(全てがそうではないでしょうが)。だからこの本は社会の底辺にいる人たちに光を当てたと評価されるのでしょう。
 著者が行く先々で怪しまれるのも、一見して遍路に出るような理由が見当たらないからでしょう。とても現在の遍路事情からは考えられませんが。
 また、遍路道沿いの旅館・ホテルは今では「お遍路歓迎」とうたって宣伝していますが、当時(大正7年)は逆に「お遍路お断り」だったのが印象的でした。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
大正のころ、四国遍路を徒歩でまわった高群逸枝の紀行文です。
当時24才の彼女の生の意見がとてもおもしろい。

いいことばかりじゃなく、不満も赤裸々に書いてあって、
遍路礼讃のノリではないところがいいです。
「昨今は物騒な時代だから」
「じろじろ見られてイヤ」
「根ほり葉ほり聞かれるのが面倒」

などなど、思わず笑ってしまうような箇所があります。

また、当時の社会の雰囲気も感じられます。
高群は当時の女性ながら学歴があり、いわゆる知識階級です。一方、四国の人々は基本的に学歴はなく、高群を仏の降臨のように扱います。
そして、その四国の住民よりも下の存在が遍路です。

大正時代は身分差はないはずですが、それでも知識人とそれ以外の格差、断絶を感じました。

それから遍路経験者なら、高群の周り方に注目してしまうことでしょう。
「1番から88ケの札所だけを順打ち」っていう今では当たり前のような周り方は、当時は当たり前ではなかったんですねー。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By @poor work トップ500レビュアー
形式:文庫
高群逸枝、という人について人名辞典などで調べると、

必ず日本女性史研究の先駆者である、という説明がある。

大正から昭和期にかけて、かの平塚らいてうらと共に活動した女性として、かなり著名な方らしい。

が、僕自身が彼女の名を初めて知ったのは、この「娘巡礼記」が最初だった。

我ながら赤面する思いなのだが、逆に言えばその分、先入観なく若き日の遍路の日記に触れることができたと思う。

読み出しの最初の数ページは、軽い衝撃があった。

全体に文語調、漢文の影響を受けたと思われる表現。

句読点が極端に少なく、畳み掛けるようなリズムがある。

未熟さも稚拙さもそのままさらけ出し、迫ってくるような若い熱気を加速させている。

「娘巡礼」などと言われて、薄幸の乙女の可憐な姿と細い筆を想像していたのだが、思わず意表を突かれてしまった。

彼女はその旅の中で、「うら若い乙女が遍路の旅に出るなんて」と訝しがられ、群集の好奇の的となる。

今でこそ観光化した観さえある遍路の旅だが、当時は社会の底辺にある者の悲壮な旅という認識が強く、

実際に道中行き倒れひきも切らない、という時代であったようだ。

逸枝は有識階級の出であり、こういった人々の中にあっては若さと教養があり過ぎた。

「観音様の再来」などと持ち上げられ、当惑する彼女に笑ってしまいつつも、やはり階級的懸絶を感じざるを得ない。

この「娘巡礼記」自体が、その旅を続けながら新聞へ寄稿され連載されたものだと知ってしまうと、なおその感は強くなる。

若い時代に遍路の人々に触れたことが、彼女の思想、人生にどんな影響を与えたか。

それを知るためには、読者である自分自身が、その後の彼女の業績を知ってゆく必要がある。
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