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そんな彼の本を初めて読む、芝居の話ではなく初めて授かった娘が話の中心だ。かわいい娘のためにひたすら苦悩する父親、韓国人としての誇り、娘の国籍を日本にするか韓国にするか悩む場面は、きっと私たち純粋な日本人にはわからないであろう。
国籍は韓国、生活様式は日本人、作者自身も『俺はいったい何なのだろう?』と自分の原点について人生を振り返り、答えをみつける手懸かりになるのではないか!と韓国で芝居をする決心をする。
日本でいじめられ、祖国に戻っても罵られる、『 いったい俺が何をしたんだ! 』
心の中で叫ぶが、その声は決して誰にも届かない・・・
つかこうへいは強く傲慢で男らしく芝居の天才・・・などのイメージが付きまとうが、本を読みすすめれば、傷つきやすくナイーブで思いやりのある瞬間湯沸かし器のような男だと気付く。
『 パパは何があってもママとお前を守っていく!』
最初に発せられたこの言葉に、様々な意味を含めて心強さを感じてしまう。
難しい言葉や、言い回しなどなくとも、作者の筆力で一気に読んでしまうこの作品・・・
私は芝居よりもすばらしいと思ってしまう。
全体として、日韓関係という難しい話題を扱いながら、大変正直な文章を重ねているという印象を持ちました。最近「親日」を売りにしている日韓関係の本を見かけますが、なぜか「親日イコール反韓」に短絡していたりして、少なくとも私は大変な違和感を覚えてしまいます。特に、「親日」の余り過去の日本を美化するのは問題だと思います。
私自身は特別なつかファンという訳ではありませんが、こういう人の発言なら信用できそうな気がします。一方に偏りがちな誇張を避けるバランス感覚が<才能>なのでしょう。ーーつかファンの人たちはもちろん、日韓関係を人気作家で在日二世でもあるつかこうへい氏の眼を通してみる、という意味でも、大変興味深い一冊だと思います。
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