うちの娘たちは未婚ですが、すでに思春期ははるか昔のことになってしまいました。本当ならこういう本はひとまわり若いお母さんたちが読む本で、もうわたしには関係ないと思ってしまっていたかもしれません。でも、ふと手にしたこの本の帯の言葉がわたしの注意を引きました。…私たち大人は子どもたちの「若さを生きる痛み」とそのメッセージにどう向き合ったらいいか。…
本を開くと、筆者が危惧するとおり確かにショッキングな現実を知らされます。初めての性交は高校1年の時と言う子が4割、高校2年の時が3割、中3も2割…そして筆者の思春期外来クリニックを訪れる子の4割以上が性感染症に関連したものだそうです。妊娠関連もまた多い。こういう子たちが性が乱れた「特別な子」ではない時代になってしまったのです。制服のまま、取り巻き応援団のようなお友達と一緒に来院する という事実からもそれは伺えます。
でも、この本で筆者が意図しているのはそういう「事実提示」ではないのです。それが救いです。筆者はどのような家庭環境が子どもたちを性行動へと駆り立てるかを、アンケート調査の回答から分析しています。その結果にわたしは心が痛みます。…中学時代、家庭が「楽しかった」と言える環境にいた子たちは「キスはいいけど、セックスはヤバイ」と、性行動の進展を抑制する意志がある…
では、どんな家庭なら「楽しい」と感じるのか?家族にできることは何か? 筆者がこの本で最も言いたいことだと思います。それは…「会話」です。お金もかからない、難しいこともいらない、子どもに向ける気持ちだけがあればいいのです。…