前作『堕ちる花』の続編です。
前作は単独でも十分お話として纏まっていましたが、(ある意味完結していました)謎を残した部分とか、兄が弟への執着する内面部分が浅かったりでやや不完全燃焼気味でした。
でも一気に失速する事なく読めたのはどちらも同じで『姦淫の花』を読む事で前作がより深く理解出来る内容になっています。
「序」という章のタイトルが【堕ちた花】から始まるのもセンス良く意味深です。
特に今回は兄の弟に対する愛情の深さが前面に描かれていました。
前回書き足りなかったと作者さまの後書きにあるようにLOVEな場面を期待されているのなら続編の方が断然濃厚です!いろいろなプレイ等ありますが是非一読してご確認下さい(笑)
でも正直ここまで延々と…と思わなくもないのですが(『堕ちる花』はミステリー色が強かったのでイメージ的に巷に溢れているBLと一緒になると折角のストーリーが陳腐にならないかな?と一瞬危惧しました)けれど、兄の弟に対する時に常軌を逸した言動や徐徐に狂気を孕みだした愛情を理解するには、やはり必要なのか…と感じました。
母親との思い出が一つしか無く満たされない心の渇き(喪失感)を癒す為に色んな事を弟に要求し、愛情を確認してそれでも健気に応えてくれる弟に安心して…。
でも未だ渇望してしまう心を止められない兄。
それに対し光を失う事の無い精神が純粋で綺麗なままの弟。
ミステリー要素としてはサイド的な采配で幾つか事件が起こります。
今回は随分あっさりしているなと思っていたら最後にとんでもない事実が発覚して、これはあくまで次巻への布石だったんだなと納得です。
……流石です。夜光先生!期待を裏切りません。
これからどの様な展開があって二人の愛の結末は…?
今回は衝撃的な終わり方なので三巻まで本当に焦れじれして待つしかありませんね。
久しぶりに続編が早く読みたい!と強く熱望するBL本に出会いました。
水名瀬先生の表紙イラストが秀逸です。
兄の憂いを讃えた瞳が印象的で内面を的確に表現されていると思います。
お話の内容・イラストとのコンビネーション・装丁全て満足です☆