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妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録
 
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妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 [単行本]

垣添 忠生
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

駆け落ちまでした恋女房と40年、やっとのんびりできると思った定年間近。リンゴの種ほどの影が妻を襲う。がんは猛烈な勢いで命を奪っていった。がんの専門医でありながら最愛の人を救えなかった無力感と喪失感――著者は酒に溺れ、うつ状態に陥り、ついには自死まで考えるようになる。その絶望の淵から医師はいかにして立ち直ったのか、心の軌跡を赤裸々に綴った慟哭の体験記。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

定年を迎え、妻とのんびり過ごしていこうと思っていた矢先の出来事だった。わずか六ミリの影が、妻を襲った。一年半にわたる闘病生活、自宅での看取り、妻亡き後に押し寄せてきた絶望感、そして、人生の底から立ち直るまでの道のり―。日本のがん医療の最高峰に立ち続ける著者が、自らの体験を赤裸々に綴った。

登録情報

  • 単行本: 173ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/12/19)
  • ISBN-10: 4103212217
  • ISBN-13: 978-4103212218
  • 発売日: 2009/12/19
  • 商品の寸法: 19.8 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
国立がんセンター名誉総長・垣添忠生先生といえば現在日本でがん医療にかかわっている医師では知らぬ者がいないキーパーソンであるし、今上天皇の前立腺がんに関する主治医の一人として、あるいは2007年春の退官までNHKはじめマスコミでも積極的に発言されて一般市民でも知る人が多いと思う。その現代がん医療の中心にいる医師が夫人のがん闘病に文字通り悪戦苦闘する体験記である(その意味でも、後世、21世紀初めの日本のがん医療あるいは在宅ケアの実態を示す貴重な資料となるであろう)。

垣添先生が勤務していた病院に夫人が入院中、年末年始だけは自宅で、と長期外泊を計画する。お子さん・ご家族がいない夫妻なので垣添先生が点滴や在宅酸素療法や排せつの介助を一手に引き受け(この準備のくだりも実態を知る医療者にはご苦労がしのばれます)ご自宅へ。ところが、ご自宅で病状がどんどん進んで大晦日に自宅で永眠される。その後の氏の茫然自失(3か月に及んだようだ)とそれから、こうした著作に取り組めるように「回復」するまでの経験と告白も貴重である。ただ、それを特に取り上げて本書の帯広告のように「がん専門医が実践したリーフケアの道のり」と宣伝するのは適切ではないと思う。

なぜならば、本書の白眉はご夫妻のなれそめから発病して闘病中、そして臨終後に垣添氏が感じたご夫婦の交流にこそあると思うからである(終盤の蝶や小鳥、ウサギのエピソードは涙なしでは読めなかった)。本書はグリーフケアの教科書ではなく、氏の夫人への熱い思いを込めた鎮魂の書である。

がんと取り組む患者、ご家族、親しい方を喪ったご遺族ばかりでなく、がん医療を考える医療者、一般の方にも広くお勧めしたい。最近、垣添先生の職を引き継ぐ、国立がん研究センター(2010年4月から改組・名称変更)の理事長が選出されたが、氏と同様の真摯で有能、情熱の士であることを期待する。
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本は3つの柱で構成される。
ひとつは、ご夫妻の夫婦愛にまつわるほのぼのとした、が、確固たる愛のストーリー。
もうひとつは、妻ががんと戦い、夫が必死にささえ、そして見送るそのプロセス。
みっつめは、妻を亡くした夫のどん底の悲嘆と再生する姿である。
そして、この書き手である夫は、日本一のがん専門医、国立がんセンターの総長を勤めた医師なのだった。
それゆえに、誰もががんを避けられないのだという現実、自宅で看取ることの難しさをひしひしと感じる。
同時に、必死に悲しみの淵から立ち上がる筆者の姿に力づけられ、グリーフワークが必要なのではないかという呼びかけにも強く賛同できる。
そんな本だ。
ドキュメンタリーでありラブストーリーでもある。
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
国立がんセンターの総長まで登りつめ、退職後は名誉総長である著者自身の喪失と再生の記録である。著者は極めてまじめで、ひたむきな方という印象である。子供がいない夫婦の場合、伴侶の喪失感はいかばかりかと想像できる。著者も生身の人間として、66歳にしてこの過酷な喪失を経験された。

医者といえば、科学の権化のようにも思えるが、以下の件は再生の過程の不思議として意義深い。「『奥さまはきっと、鳥や蝶、何かに姿を変えて現れますよ』私より少し前に近親者を亡くした知人に、こう言われたことがある。そのときは、単なる慰めだと思い、とくに心に留めなかった。のちにこの言葉に深くうなずく日がこようとは思っていなかった。」(150ページ)全体としては、がんに対する医者の取り組み意見もあるが、最愛の伴侶の喪失と再生に焦点を当てており、高村光太郎の「知恵子抄」を彷彿させる。
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