週刊文春のコラムをまとめたもの。土屋賢二の書いたものを読む人は、おそらく2種類に分類される。のめりこんで次々と読み続ける人と、一度読んでつまらないといって二度と読まない人と。前者はおそらく少数派であろうが、私のように完全に中毒患者になった人も多いに違いない。
著者の家庭や職場を本を通してチラリと覗かせてもらう読者には、この本はひと時の良質なエンターテイメントであるが、奥方はじめ学生・助手の皆さんから本に書いてあるような扱いを受ける苦労は並大抵のものではないと思われる。自分には文才もなにもないが、似たような苦労を重ねる「貧相な中年男」として共感できるところが多々ある。
ただ自分のような中毒患者にも、内容的には新鮮味が薄れ、マンネリ気味になってきたなあ、というのは偽らざるところだ。土屋賢二の著作はやはり初期のものが面白い。