色々な興味から読むべきかと思い1円にて購入(送料340円は高くありませんでした)
筆者、澤地久枝様(昭和5年生まれ)の足で取材された本物の妻の事件後が見て取れます。
文字の中に情景が浮かび、数本の人間ドラマを見せていただいたような感慨がありました。
決起が成功していれば1500名あまりの兵士と共に英雄にも成り得たものが頓挫して官位剥奪
により戦後の遺族の苦労が忍ばれます。
後日、御遺族のその後を心配されたある中将が妻には養老保険、女子には嫁入り保険、男子にも
軍が一括前払いで徴兵保険を肩代わりで支払、今後一切軍への批判で請求をしない由を約束したと
言うことでした。それを読みまして戦後、何の責任もとらない将官の非力にあの今村均大将が感激を
しておられたようで隠れた美談は多いことを知ります。
A級戦犯と違い、遺骨が家族に戻されたのは救いでもありますが明朝、処刑と知らされてからの
数時間の人間の思いはいかばかりでしょうか。髪の毛1本、爪のひとかけらも残されなかったのか
不明ですがマッカーサーの指揮の諸事に無条件降伏の与えた日本の復興までの道のりは文献で知り得る
のみです。
妻の立場から・・・の書籍と思っておりましたが1971年夏に二十二名の志士の関係者30余名が
麻布賢崇寺に集い菩提を弔う前書きから一気に読める内容でした。
人名が多く出てきますので整理しながら読み、複読することで筆者の想いに近付けるかと思います。
高橋是清蔵相を襲撃した中橋基明中尉の悲恋の女性の事にも触れてあり、昭和43年33回忌法要で
仏心会の河野司様(河野寿兄)に偶然紹介されて託された書類が遺族の元へ還ることが出来たことも
ドラマチックでした。
事件の詳細をご存じの方も知らない方も著者によりまして受け止め方が違いますので是非お読み
くださいませ。
当時21歳の少尉でただ一人戦後を生きられた<二・二六事件裁判記録-蹶起将校公判廷
:池田俊彦 著>に処刑者の真実も詳しいです。
【 また、当事者は銃殺を命令された側の同期、先輩の士官にもいたわけで介錯人は近親者という理想により
”2・26事件介錯人の告白”というタイトルで検索して頂きますと林八郎少尉についての事実が拝読できます】