入手したのは大分以前の事なのですが、良い内容の割りには、余りレビューが多くないので思ったままに綴らせて頂きます。
川口さんが寄稿された雑誌の連載を一つにまとめた書籍です。
主役の良さを損ない勝ちな対談形式のものではないので、淀みなく素直に読み進める事ができます。
写真や挿絵も豊富にあり関心を更に深められます。
只、方法論もある程度示されては居ますが、素人向けの完全なノウハウ本ではないので自然農法は勿論の事、農業自体未経験な方には捉え難い一面も確かに在ります。
この点、先ずはより詳細な自然農法の実践方法について情報を得られたい方は、他の書籍も当ると良いでしょう。
自然農法を通じ、命の営みに対しての洞察を深め、その「理」を捉えて居られる川口さんの「哲学」が、独特のやわらかで平易な語り調子で終始展開されてまして、読んでいると知恵と新たな穏やかさを得れる様な一本筋金の入った、下手なエコビジネスを張る書籍群とは大きく一線を画す数少ない内容です。
余談ですが、昨今、ビジネスとして就農をされる方もいらっしゃり、自給率の極端に低い日本にとって取敢えずは良い傾向になっても来ましたが、既存の燃料を沢山必要な大きな機械を導入し自転車操業に成り勝ちな農業ではなく、農薬・肥料・種を一手に握られた基での利益追求型の農業でもない、もしかしたら国の屋台骨を支え得る古くて新しい農業が発展して行く未来への希望がこの書籍から個人的には見出せました。
何しろ確かな実践者の方々も着実に増えていらっしゃるのですから。
自然農法とは何だろうと思われてる方、或いは志されてる方々には勿論の事、規模を問わず「教育」という行為に関与されてる方にも、自分と同じ命を育む諸々のヒントが得れる内容にもなっていると思います。
川口さんの書籍の中では高価な部類になると思いますが、価値はあります。
お勧めします。
(個人的には文庫で出して欲しいです^^)