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楽しい本はたくさんあるけれど、嬉しくてわくわくする本に久しぶりに出会いました。アイルランドの風土のなかの人々の暮らしが感じられる妖精との出会いのお話や言い伝えを通して、自然に身近にフィンダファーとグウェンの想いを力強く感じるのは、とっても不思議でした。
読み終わってしまうのが、とっても残念でした。
メリングはアイルランド出身でカナダ育ちですが、ケルトとアイルランドに対する深い愛情を感じさせます。
メリングの本はどの本も伝承を下敷きにし、よく検証されていて、ディテールの一つ一つが非常にリアルに描かれています。
この物語ではアイルランドの古い伝承である「エーダインの求婚」と下敷きに、
妖精の虜、塚の下の人々など、ストーリーテリングではおなじみの題材をふんだんに織り込み、我々のいる時空と良き人々の時空を巧みに重ね合わせています。破綻なく妖精達を我々が生きている現代に介入させる筆力は見事です。
難をいえば、現実にはこんなステキな男の子はそうそういやしない、ということくらいのものでしょう。
また、彼女はアイルランドの伝統音楽なども好きらしく、妖精の一団がパブミュージシャンに身をやつしてパブを熱狂させるシーンなどは、アイルランドや伝統音楽音楽好きにはたまらないシーンです。
現代物のファンタジーで音楽との関わりを書いた作品は比較的少なく、その点でも生のアイルランドをかいま見ることの出来る貴重な作品ででもあります。
井辻さんの翻訳は読みやすく、大人になりかけた少女の激しく、時に不安定な活力を十二分に伝えてくれます。
もっと読まれていい本の1冊です。
この..定は「夏の王」「光を運ぶ娘」そして現在執筆中の最新作へと続いていきます。是非続けて読んでみてください。
ケルト柄の装丁もとても美しく、珍しく原書よりもいい装丁だと思います。
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