【あらすじ】
エゼル国の王宮にのみ存在する役職≪神術師≫。国の重要な吉兆を占い、万物を操る
力を持つとさえ言われる彼らは、王からも一目置かれた存在だ。
そんな≪神術師≫の助手に見事抜擢されたノーラは、提示された法外な給金に心を躍
らされるが、それが仕事内容に見合った対価だとすぐに思い知る……。
美貌の神術師レンにいきなり「脱げ」と言われ、勝手に動き回るドール達の世話を言
いつけられ、彼女の目まぐるしい日常が始まる。
ドールが独りでに動くのは≪神術≫によるものだと納得したノーラ。しかし、そこに
は彼女の知らないある秘密が隠されていた。
そしてそれは、ノーラの持つ≪もの探しの力≫にも関係していて――
【感想】
試験に合格してから、ドールの秘密が明かされる辺りまではとても楽しかったです。
美形なのにちょっと変人なレンや、やんちゃなドール達との絡みは個人的に楽しめ
ました。
ただ、ドールは数が多いわりにキャラクターがそれぞれ立っていないので、台詞だ
けでは誰が話しているのかが分かりませんでした。特徴がないので、名前と容姿を
一致させるのが非常に困難です……。
前半は本当に面白かったのですが、後半に差し掛かるとストーリーの粗が目立ちま
した。
まず、ノーラとレンの暗い過去の描き方が微妙です。表面をなぞっただけの描き方で、
かえって興醒めしてしまいました。感動的なシーンで全然感動出来ないのが、とても
勿体無いです。
一番最後の事件は展開が強引で、犯人の動機も唐突に思えました。描写不足のせいか
と思いますが、説得力が全然ありませんでした。
そしてこれは文章に対する感想なのですが、「と」で始まる文が必要以上に多く、
「と」があるせいで文章の流れが悪くなっている個所もあり、とても読みづらかった
です。
設定などはとても好みの為、消化不良な読後感が非常に残念です。