昭和31年に出版されたものの文庫版。
ザシキワラシ・小豆洗い・天狗等、タイトル通り妖怪についての考察である。
書き出しのところで著者は、オバケ(化け物)と幽霊を混同する人が多いことを嘆いている。
その違いは、
・オバケは出現する場所がたいてい決まっており、避けてそこを通らなければ一生でくわさずに済ますこともできる。
対して幽霊は、足が無いという説があるにの関わらず、てくてくと向こうからやってきて、狙われるとどれだけ逃げても追いかけてくる。そんなことはオバケにはまず無いらしい。
・オバケは相手を選ばないが、幽霊は特定の人間だけに思い知らせようとする。
この二点である。
また、黄昏時はオバケに出会いやすいという。
古い日本語では黄昏のことをカハタレといい、もしくはタソガレドキと言っていたのは、「彼は誰(カハタレ)」「誰ぞ彼(タゾカレ)」が固定した形らしい(誰かわからないような者に出会う時間帯ということか)。
そのため黄昏に道を歩く人間が、互いに声を掛けるのは単なる礼儀ではなく、自分が化け物でないということを証明する儀式であったようである。
各々の妖怪について触れてある箇所ももちろんおもしろい、というかそれがメイン。
妖怪に興味がある方は是非どうぞ。