「地」・「天」に続く最後の「妖怪ハンター」もの。収録作は以下の通り。「産女の来る夜」、「淵の女」、「うつぼ舟の女」、「海より来るもの」、「鏡島」、「六福神」、「帰還」。
冒頭の「産女の来る夜」以外は、題名が示す通り全て「水」をテーマにしている。特に3作目以降は、「粟木町」という海辺の町に場所を固定して話を展開している。これは、シリーズ中でも珍しいことだ。海や川をテーマにするのは、やはり溺死という問題があって、これが妖異談と結び付きやすいという面があるのだろう。
そして冒頭の作を含めて、神・悪霊との霊媒役は全て若い女性が勤めていることが特徴だ。これは、日本神話の影響かもしれないし、作者の思惑があるのかもしれない。狂言回しの稗田礼二郎(=「古事記」の口伝者、稗田阿礼のもじり)の出番が少ないのは、物語の語り部という本来の姿に戻ったと解するべきだろう。
しかし、いつの日にかシリーズを再会して欲しいものだ。