かなり前から気にはなっていたものの、何となく機会がなくて読み逃していた一冊。
これは何と表現してよいのか、非常に迷うジャンル。
タイトルに「妖怪」とあっても、決しておどろおどろしい内容ではないし、主人公が高校生だからといってジュヴナイルと断定するのは早計。
中学生になったばかりのときに両親を亡くした主人公が、親戚に遠慮をしながら3年間を過ごし、いよいよ寮のある高校に入学して独立する!という矢先に、寮が火事のため入居不可になってしまう。
自暴自棄になる主人公の前に、寮が建て直しされるまでの期間限定で格安アパートに入居できるという甘い話が供される。
胡散臭いと思いつつも、独立にこだわる主人公は入居を決意。
伺候して、そのアパートは妖怪や幽霊などがたむろする「妖怪アパート」だった……!
と書いてみると何の面白みも感じられないが、あに図らんや、何だかじんわりと泣けてくる物語なのだ。
簡単そうに軽く触れられているが、何と深遠な真理の数々がちりばめられていることか。
説教臭い話や小難しい事は何も書かれていないが、読み終えると体の中からすっきりとして清々しい気持ちになれる。
おとなも子供も一読あれ。