魔道士見習いの修行をしつつ、「普通の生活」を送る主人公の夕士が
いろんな「日常」の事件と出会い、個性たっぷりの「妖怪アパート」の
仲間たちに見守られながら少しずつ成長していく「妖怪アパート」シリーズの第5作目。
全体的にゆるやかな話の流れだった印象のある前作に対し、今回は
久々に「個性」の強い新キャラクターたちが登場します。
良くも悪くも個性の強いまわりの人々に対して、やや押され気味の感のある
主人公の夕士ですが(笑)物語のヤマ場では「ちょびっと成長」した姿を、
今回もちゃんと見せてくれます。
生きること、楽しむこと、泣いたり笑ったり、怒ったり感動したり、
時には絶望したりどうにもならなかったり・・・
など、そんな”人間的にうったえる何か ”を、夕士や「妖怪アパート」の
仲間たちを通じて、このシリーズはいつもくれます。
アパートの住人たちの会話など、多少教訓めいた印象もなくはないのですが、
「人間的に」魅力のある、個性いっぱいのキャラクターたちがそれを
補って余りあるのではないかと思います。
そしてこのシリーズで忘れてはならない、ありえないほどおいしそうな
るり子さんの手作り料理の描写も相変わらず健在です。
読んだあとは、いつも元気に「現実」へ帰っていける力をくれる、
自分にとってはそんなシリーズです。