自分がどんどん年を重ねていくと、親世代の年齢になったときにどうなっているんだろうって考えることがある。元気で、何かに夢中になっていて、楽しく生きていけてるのかって、ちょっと不安になる。
凛子たち3人は互いにずっと夢や理想を追いかけている。でも、熱くなっているようで本当はずっと熱くなれていなかったんじゃないだろうか。何かを追いかけて、でも手に入れられなくて、現実と直面することを苦手にしながら、ちょっと窮屈な生き方をしてきたんじゃないだろうか。だからこそ、60歳を過ぎてもう一度熱くなりたいと願ったんじゃないだろうか。そう思えて仕方ない。
松苗先生はいつでも変わらず「言いにくいこと」をじんわりと、かつストレートに感じさせてくれる数少ない漫画家だと思っている。自分はリアルタイムじゃないけれど『純情クレイジーフルーツ』を読んでいた人たちが、これから感じるであろう「他人に言いにくい」本音の部分を、凛子たち3人に乗せているように思えた。
今後もっとこの作品を身近に感じられるようになるよう、「いい年の重ね方」をしたい。
背中を押されるような1冊である。