今まで造り上げられてきた「女らしさ」のイメージとは違う、
女性達の生々しい生態を描き出そうという意欲作。
鋭い観点や毒舌な表現が、読み物としては非常に楽しめた。
しかし若干引っかかる点もある。
この本に例として登場する女性の多くは
バブル世代特有の強い上昇指向の持ち主であるため、
ポストバブル世代の私にとっては共感できないことも多かった。
例えばエビちゃん云々のくだりでは、
ポストバブル世代に多く見られる「冷めた現実主義」的な発想を
完全に無視した分析を行っていて、
正直、的外れな考えなのではないかと感じた。
この本はあくまで、
1960年生まれの、
広告業界という特殊な環境に身を置く著者の周りに
実際にいる興味深い女性達についての個人的なエッセイとして
読むのが妥当だと思う。
本気でマーケティングの参考として使用するには、
視点やサンプルに偏りがあり過ぎるので
注意を要するのではないかと感じた。
(ちなみに私が先に言った
バブル世代・ポストバブル世代など、
世代別の価値観の違いについて考察した本では
『婦国論』という本をお勧めする。)
ただ、「女性らしさ」として語られるイメージとは違う
実際の女性の言動や価値観に目が向けられ、
より女性が無理をせず心地よく暮らしていける世の中に
なっていったらいい、という思いは
非常に好感が持てることと、
文章自体が読みやすくて楽しいことから、
買って損をしたと思わせる本では無いという評価で、
辛口ですが☆3つとさせて頂きます。