日本の神話は正直まったく興味がなかったんだけど、これは読みやすく面白かった。
女でありながら神でもあるイザナミの苦しみ、人間であるナミマやマヒトの嫉妬、欲・・・・・
描かれている感情は桐野夏生が得意とする世界観そのものです。
神様ってすべてに平等で愛にあふれている存在かと思いきや、人間以上に人間的な感情をもっておられるかのように描かれている。
こんなこと言ったらおこがましいかもしれないけど、女としてイザナミの苦しみと葛藤は痛いほどに理解できました。
神と神の話であるけれど、根本的には現代の私達となんら変わらない男と女の話なんです。
神は真の神であると同時に、真の破壊者でもある。
最後に救いを求めたイザナキを冷たく切り捨てたイザナミ。
神であっても、人間であっても、やはり女の情念は恐ろしく深い。