ミチルとロイディの2人が迷い込んだ、百年間も孤立していた小さな街のお話。そこで起きた殺人事件の真相を探ろうとミチルは躍起になるが、この街の人は見て見ぬふりをしようとする。そして、この事件はミチルの過去ともリンクしてくる。
トリックやその真相は、特別驚くほどのものではない。でも、展開が速くてぐんぐんと引き込まれていく。しかし、ふと立ち止まらされる箇所がある。それは、なぜ人を殺してはいけないのか、そして人が人を罰することは出来るのか、という疑問だ。善良な人々だけで構成されている法律の無い街で、どのように秩序が成り立っていくのか。そこで殺人事件がおきたときに、それをどう処理すればよいのか。なぜいけないのか、どう罰すればよいのか。著者の思いは一応本文中に書かれているが、この問いに対する答えは千差万別だろう。
この本は、SF・ミステリィ・サイエンス・哲学、この全てであり、またちがうかもしれない。