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女文士 (新潮文庫)
 
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女文士 (新潮文庫) [文庫]

林 真理子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

もっと幸せになりたい。もっと認められたい。もっともっと、愛されたい。男を、結婚を、名声を、執拗に求め続けた女、真杉静枝。最初の結婚からは自ら逃げ出した。愛人・武者小路実篤はついに応えてくれなかった。若い恋人・中村地平は逃げ、夫となった中山義秀も最後には背を向けた。死の間際まで艶聞にまみれたスキャンダラスな女流作家。こんなにも狂おしく哀しい女がいた―。

内容(「MARC」データベースより)

最初の結婚は虚しかった。愛人は応えず、若き恋人は逃げ去り、最後には夫にも背を向けられた…。男との愛を、作家としての名声を執拗に求め続け奔放に生きた女流作家・真杉静枝の狂おしく哀しい人生を描く。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 327ページ
  • 出版社: 新潮社 (1998/10)
  • ISBN-10: 4101191174
  • ISBN-13: 978-4101191171
  • 発売日: 1998/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 528,593位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tsuruko
形式:文庫
 途中でげっそりしてくるくらい、やり切れない女性の話でした。
 宇野千代と同世代の、しかし千代のような才能にも精神力も持たず、足掻いて足掻いて滅びていった女性作家、真杉静枝。

 静枝は明らかに他人より恵まれた資質を持っていた。まず美貌。それから多分少しは、文章を書く才能も。けれどそれらを活かす賢さは無く、むしろ台無しにする愚かさをたっぷり持っていた。その愚かさはあまりに単純で哀しいほど。頑張って不幸になっていく人。幸せになりたいと思えば思うほど、間違った方向へ突っ走るばかり。

 一言でいえば静枝はだらしない。最近の言葉で言えばADD(片付けられない女たち)かもしれない。家事能力、経営能力、要するに「何かをきちんとすること」が出来ない。家事だけならいいが、人生のすべてについてそうなのだ。男との関係も、仕事も。目の前の安っぽい菓子に飛びついて頑張るだけ。現実を見通す力が無く、何よりもポリシーが無い。だから客観的に見れば何もうまく行くはずはなかった。そして、すぐ自分に都合の良い夢を見て現実が見えなくなる静枝の性質は、年齢と共にひどくなっていく。

 私は静枝に「女文士」、つまり作家・芸術家の性質や情熱をほとんど感じなかった。彼女はただ誉められたい、成功したい、愛されたい、幸せになりたいと願っていただけで、別に作家でなくてもよかったのだと思う。そしてトンチンカンな試みばかり必死で繰り返した。もちろんこんな愚かな人が悪人になれるはずもなく、涙もろいやさしい人である。ただ、これもポリシーが無いから垂れ流しの幼稚なやさしさだ。
 作家・芸術家という面は希薄で、だからこそ普通の女性の人生に通じる怖さ・哀れさがある。現代にも「恋も仕事も」というフレーズがあるがそこには何もポリシーは無い。こんな人いると思う。

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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By "aida2"
形式:文庫
何回も読んでしまいました。眞杉静江に共感したわけではありません。かと言って反面教師というような単純な気持ちでもありません。林真理子さん独特の私でも持っているかもしれない醜いでも凝視してしまうような魅力的な部分に引き寄せられてしまうのです。彼女の歴史小説はとても好きです。私自身明治大正という時代やミッションという言葉にとても惹かれ、某ミッションスクールに通ったぐらいですから。その時代の女性をいきいきとしかも切なく書くことは天下一品だと思います。女性はいつの時代も切なくてアホな部分を持っている。しかも名の通った人もそうでない人も。。。眞杉という人は最後まで自分のエキセントリックさに気がつかなかった人という気がします。名声が欲しいでも家庭的な部分も欲しい。考えてみると林真理子さんて両方手に入れているんですね。でもそれは賢かったからなんでしょうね。眞杉静江という人は名声を得るには才能がなかった家庭を欲しがるには家事能力がなかった。でもそれに気がつかないように生きてしまった。なんかとても切なくて、心に残ってしまいます。林真理子という人はすごい文才のある人だと思います。白蓮れんれんやミカドの淑女などもっと歴史小説の女性を書いて欲しいと思います
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
濃厚な文章 2002/1/21
By "yae"
形式:文庫
 単純なのか影響されやすいのか、たいてい本の読後や映画を観た後、なんらかの影響を受けてしまう。寝る間も惜しんでいっきに読んだ本書もそういう実に内容の濃い話だ。眞杉静江という作家の名前も知らなかったが、登場人物は宇野千代、芥川竜之介、志賀直哉、等々有名作家でそのおかげで非常にリアルに感じられた。読み進む間に苦しくなったのは、林真里子の書く文章から漂ってくる濃厚さのせいだろう。時代の流れや女という生き物の共感せざるを得ないしたたかさをまざまざと見せつけられた。本を読んで映画を観たかのように自分の空想の中で映像として捕らえられる。そんな作品だった。
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