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女性学/男性学 (ヒューマニティーズ)
 
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女性学/男性学 (ヒューマニティーズ) [単行本]

千田 有紀
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「女性/男性」というジェンダーの視点からみることによって、この世界はどう変わってゆくのだろう。「性別」という「当たり前(自明)」だと思われているものは、どのように作られてきたのか。学問と性別を理論的、実践的に問い直し、性と、その欲望をめぐる政治とは何なのかを解き明かす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

千田 有紀
1968年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。東京大学博士(社会学)。現在、武蔵大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 171ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2009/11/27)
  • ISBN-10: 400028326X
  • ISBN-13: 978-4000283267
  • 発売日: 2009/11/27
  • 商品の寸法: 18.4 x 13.2 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 「ジェンダー/フェミニズム業界には論文量産システムがあるらしい」と内田樹が揶揄しているが、実際その類の本は書店や図書館の棚にはち切れんばかりで、初学者は途方にくれる。
 本書は下は高校生も対象としているというが、著者はあえて「です・ます」を用いて学術書調にならないように腐心したと書いている。学問の水準を落とさずに判りやすさを心掛けるというのは並みの学者の出来ることではない。ジェンダーに興味を惹かれる方が初めに読む本としてお勧めできる良書である。
 書名について、著者は「女性を問い直すことはそのまま男性を問い直すことだから」という。しかし本書の大半を占めているのは女性学である。男性学という研究分野が緒に就いたばかりでもあるが、「女性」は「男性」の関係語であるから賢明な読者には違和感はないだろう。
 女性解放史をフランス革命にまで遡って記す。近代市民社会はここから始まり「人権宣言」と共に「女権宣言」も書かれたが、近代が出現させた「個人」は家族と関連した男性のみで、女性はその属人として家庭に閉じこめられたと書く。ここでは、後に第2波フェミニズムが発見した「家父長制」を指していることは明らかである。
 従って本書のページは、60年代に端を発した第2波フェミニズムに大きく割当てられる。だがこのフェミニズムなるもの、「フェミニズムズ」と複数形で表されるほどの百花繚乱的学説の乱立で、それらを単に並記している類書を幾ら読んでもその差異が理解できないのだが、本書ではそれぞれの学説が相互に関連づけられていて、その違いと経過が良く整理されていると感じる。
 筆者が特に興味深く読んだのは、「ポスト植民地主義とジェンダー」での岡真理(主著『彼女の「正しい」名前とは何か』2000.9)批判である。このエキセントリックな学者は「当事者性」を武器に、第一世界(先進国)のフェミニストをなぎ倒してきたが、著者はこの女帝のメタ批評家振りを果敢にも論破する。岡に対する批評論文を書いた後で、多くの女性から「本当はいいたかったのだけれど、怖くていう勇気がなかった」と、こっそり打ち明けられたと書いている。この業界もいささか硬直化しているようだが、千田有紀氏のような若く恐れを知らない手によってさらなる学問の突破口が開けて行くことを期待したい。巻末に「読むべき本」のリストが付けられているが、各章で参照した重要文献はそこから省かれてしまっていて、それを見るためにページをひっくり返さねばならないのが惜しい。
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By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
女性学の歴史と現在を実にコンパクトにまとめた入門書。著者の特技を活かし理論的な話が中心であるが、その理論の発達と共振しながら(あるいは理論に先立ち)展開してきた女性をめぐる社会変革の動きにもバランスよく言及している。いい本だと思う。
田中美津氏が種をまき井上輝子氏が開花させ上野千鶴子氏らが飛躍的に成長させた日本の女性学は、実質30年ほどの歴史しかないが、しかしその短い間に、性差をめぐる認識の根源的な問い直しや女性の社会進出の後押し、男女間の権力のあり方や、個々の女性の生き方の意味や価値について驚くほど多くの重大な見識を提供してきた。そして、「セクハラ」や「DV」の問題化といったかたちで、女性学的な知識は一般社会に普及し、世の中を一変させてきた。今後も変えていくだろう。
一方の男性学については、これに遅れて誕生したばかりでまだ蓄積も少なく、本書も終盤でごく簡単にまとめているだけである。つい先ごろ出版された『「男らしさ」の快楽』(勁草書房)などの秀作に予感されるように、これからさらなる発展が期待されてよい学問だが、しかし現在では基本的に、女性学(+ジェンダー論)の派生ジャンルに留まっているのだろう、という印象を強く受けた。
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