現在、所謂『コレステロール論争』が我が国で巻き起こっているのは皆様ご存知の事だと思う。
2010年9月、お代官様(日本動脈硬化学会)に黄門さま(日本脂質栄養学会)が突然、お仕置きを掛けたのが事の始まりである(笑)。
10/14、日本動脈硬化学会は日本医師会館で「断じて容認出来ない」と声明を発表。
これに対し、日本脂質栄養学会は11/9、この声明に対する反論を発表し、両者一歩も讓らないノーガードのどつき合いだ(笑)。
この本の著者である天野先生は東大医学部卒で、話題の日本脂質栄養学会・ガイドライン策定委員会の委員さんもお勤めである。
先生は日本動脈硬化学会のガイドラインを厳しく批判する。
「今回出た日本脂質栄養学会のガイドラインが一般国民を混乱させていると吹聴されているが、世間を混乱させて来たのは女性を無理やり男性の基準に合わせて来た動脈硬化学会のガイドラインの方である」と。
その結果、男性より遥かにリスクの低い女性に対して、LDL-コレステロールを下げると称する多くの薬が出されているのが日本の現状である。何と関連売り上げの2/3は女性から上がった儲け。欧米先進国では多くが男性からなのに、である。単にLDL-コレステロールが基準を越えているからと言って中高年女性にガンガン処方された結果がこれである。トホホ。
見識ある先生がた(寺本動脈硬化学会副理事長ら)がいくら「女性に安易に処方してはイケない」とか、「不適切な処方例も見受けられる」とか言っても、現場はそんな達しを全く聞きゃ〜しない。それ行けドンドンである。
この欺瞞にとうとう堪忍袋の緒が切れた黄門さまはこの9月、お仕置きに立ち上がったって訳である。
代官様(動脈硬化学会)が余りにも越後屋(製薬業界)の代弁をし過ぎたのは明らかである。
但し、日本脂質栄養学会も自らの主張に世間の目を向けさせる為とは言え、マスコミを積極的に使ったりしてセンセーショナルに言い過ぎた嫌いはある。「目的が正しければ手段は正当化される」とでも考えたのか・・・
尚、第3者機関の臨牀研究適正評価教育機構(J-CLEAR:桑島巌理事長)は9/30「男女一律は可笑しい。性差を考慮した基準作りが必要だ」との見解を出している。何時もながら桑島先生は誠実だ。
ところで、糖質制限は脂質異常を劇的に改善する。
HDL-コレステロール増加、中性脂肪低下、LDL-コレステロール微減、よってL/H比は著明改善。
動脈硬化が気になるなら当然、まずはこっちであろう。越後屋は悔しがるだろうが(笑)。
そして糖質制限にω3/6比改善を加えれば、まるで「鬼に金棒」である。
コレステロールが気になる全ての女性にお勧め出来る良著・入門書である。