古本ライター岡崎さんによる、古本屋さんの女性店主のルポ。
まず、ひたむきにこの商売に励んでます、というイラストの表紙がキュート。本文中にも店長さんや店内の写真もあり、臨場感もよく出ている。
なによりも、女性店主たちの、とてもドラマティックな人生、古本に賭ける真摯さに心打たれた。若い人の場合は家族との葛藤、結婚を経ている女性は配偶者との離婚や病死を経験しているのも、ただの偶然には思えない。
そう、ただの偶然ではなく、本をめぐるシンクロニシティというか、セレンデピティがあちこちで起きている。それは、古本業こそ彼女たちの天職だ、ということなのだろう。そして、古本自体や作家、読書への愛情もさることながら、自分がこの仕事が好きだから、人と出会って元気をもらえるから、という、それまであまり動機にならなかったことが、彼女たちを動かしていることも強く感じた。
岡崎さんの文章も、蘊蓄は地文にさらりとはさむ程度で慎ましく、彼女たちへの敬意が伝わってきて好感が持てた。でも、彼女たちを真似しての開業はまずむりでしょう。