進化心理学、動物行動学、脳科学など幅広い分野から得られた知見を援用して「男と女は違う『傾向』を持つ生き物である」ことを示し、「したがって男と女が同じである『べき』とする議論は間違っている」という論を展開する本です。トピック一つ一つへの踏み込みは浅く、さほど目新しいものではありません。ジェンダーバイアスが色濃く出た文章もところどころ散見されます。
しかしながら、性差と呼ばれるものは全て社会的に構築されたものと考える人々が少なからず存在するのも事実です。彼らとの議論に「生物学的な性差」を持ち出すのなら、せめてこの程度の知識と論理で武装しておかないとお話にならない、という指標にはなるかもしれません。
なお、「性差を認めたうえでどのような社会を目指すべきか?」という話題はこの本では扱われていませんでした。