代表作として名高い「8 1/2」以来、フェデリコ・フェリーニの分身(スナポラツ)を演じて来た盟友マストロヤンニとの第3作目となる本作は、それまでの「カサノバ」までに観られる映画的パワーと比較すると、その衰えを指摘する向きが多い。
これは、長年の名コンビであったニーノ・ロータが亡くなった事とも深く関連してるのかも知れないが、個人的にはフェリーニ初体験となった本作は絶頂期には撮れない円熟さを感じさせ、どこか枯れた感じがかえって心地よく一番の愛着を持っている。
故淀川長治氏が当時、年間ベスト1に挙げていたのも、印象に残っている。
映画館の暗闇で楽しむ事がこれほど相応しい映画もそうはないと思うし、撮影や美術を堪能するにはスクリーンが最適なのは言うまでもない。
これまで、VHS、DVDと発売される毎に目ざとく買いあさっていた私であるが、画質や色調に満足できず、過去の数回に渡る映画館での体験で補足しながら鑑賞していたが、今回の国内初ブルーレイ化(フランスでは最近「カサノバ」と共に発売済みだが、リージョン違い)で、大いに期待が高まる一方である。
これを機に、メジャータイトルばかりでなく、美術品としても価値あるフェリーニ作品のブルーレイ化を切望してやまない。さあ、部屋を真っ暗にして奇想天外な一日をスナポラツと共に体験しよう。