友情って何だろう?人生って辛いよね・・・。本作は自らの人生をも振り返ってしまうほどの衝動を受けた。恵まれない家庭で育った三人の娘たちが育む「友情」と「挫折」。菜都美が描いた「地球に向かって進む3本の道と女の子」の絵。その絵の前で泥だらけで喧嘩をする菜都美ときみこ。そして決してハッピーエンドじゃないんだけれど、最後は前向きになれる。映画には時々、魔法のスパイスがかかることがあるが、本作はまさにそんな1本だと思う。これだけノスタルジーに溢れ、涙が出てくる作品はいつ以来だろうか。主演の菜都美役は森迫永依―大後寿々花―深津絵里という、現代日本映画を支えるエース女優が繋いでいるのも凄い。特に大後の繊細な芝居には圧倒された。同い年で同じ神奈川出身の志田未来と共に、将来の邦画界を背負って行くんだろうなあ・・・。この高校生パートの三人(大後、高山侑子、波瑠)がとにかく素晴らしいので、本作は傑作たりえたのだろう。森岡監督といえば「問題のない私たち」でも黒川芽以や沢尻エリカらと瑞々しい傑作を送り出したが、若手女優を引っ張るのに長けているのかも知れないね。マンガ家として成功している菜都美が、故郷へ帰るラストシーンは涙なくして観られない。ここで三人が再会できない寂しさを「人生の厳しさ」として幕を引くのかと思いきや、バスに乗る「今の」菜都美に手を振る「高校時代の」きみことみさの表情で「友達の存在感」と「人生の再スタート」を語らせるなんて、素晴らしいぞ、森岡組!特典映像にはメイキング&舞台挨拶などが収録されている。個人的には2009年公開の日本映画で最上作だと思うので、ぜひ観てください。文句なしの5つ星。