核戦争後の崩壊した世界、主題がジェンダーとはいかにも『よくある話』めいておりますが、読ませる力はかなりのもの。ぐいぐいと世界に引き込まれてしまいました。
劇中劇の古典的物語を交互に絡ませながらヒロインの過去と現在が語られますが、それはまた変えがたい男と女の普遍的な性(さが)でもあります。理性と本能の狭間で主導権を争う二つの生き物。同じ種でありながら永遠にひとつになれないもの。尽きることのない騙し合い。
支配しているのは男なのか、女なのか?
とにかく異性が信用できなくなりそうなお話で(特に男性にはきっついかも知れない…)、若い方が嫁入り前に読んでいいのか結構悩むところですが(笑)、作品としての読みごたえは充分です。おすすめ。
ちなみに物語の展開などを鑑みるに女の国の門the gate of women's countryというのが女性の胎への入り口の事と分かります。まさに神聖にして侵さざるべき門なのです。渋い。