辛酸なめ子さんの本を読むのは始めてでしたが、あまりなじめませんでした。女性に「毒がある」ということで人気の作家というと酒井順子さんとか、中村うさぎさんあたりかなと思いますが、辛酸さんは酒井さんと中村さんの間かなといった感じです。ウィットという点では酒井さんのほうが上手だし、自分を痛めつけてでもものを書く、というのなら中村さんのほうが上かなと思いました。マンガでの毒の表現も、西原理恵子さんあたりのほうが読後に思いがけずほんわかさせるという点で面白いです。逆に、そういった人々の長所をあくどくなく集めると辛酸さんになるのかなと思いました。でも、「身もふたもない」表現や意見が出ている割には、なんだかそれが「本音」というわけではないような気もしました。
ただ、この本一冊に関して言えば、他のレビューワーのご指摘なさっている通り、あまりまとまりがありません。なので、辛酸氏の世界を本当に味わうには他の本から始めたほうが賢明かもしれません。